菅直人代表代行は7日午後、党本部で定例会見し、同日、衆議院予算委員会で質疑を行った09年度補正予算案に対する見解を語った。
予算委員会での質疑に関して菅代表代行はまず、「今回の補正予算は、本予算が成立して1カ月というところで出された、しかも14兆円を超える大型の補正予算ということで、極めて重要な補正予算案の審議だと考えている」と指摘。そのうえで、「財政出動がある規模必要ということは(わかるが)、わが党も2年間で21兆円という規模の景気雇用対策を提案しているが、問題は中身だ」として、補正予算にあてられる支出が国民の将来に繋がる中身なのか、ただのバラマキにすぎない支出なのか、「まさにこの一点でしっかり議論しなければいけないというのが第一の課題である」と語った。
また、「率直に申し上げて、相当部分は無理やりに、急いで補正予算をつくるということで、正に賢い支出ではなくて、めちゃくちゃな支出がたくさん盛り込まれている」とも批判。特に子育て支援という名のもとで支出される「子育て応援特別手当」は、なぜ3歳から5歳までが対象なのか、なぜ1回限りの支給なのか根拠が不明だとして、「一時期だけ給付するというのは、給付それ自体以上の意味がない。つまりは少子化対策にもなるわけでもないし、何か大きな政策目的に沿った支出とはとても言えない」と分析した。
さらに、46の基金については、同日の衆院予算委員会質疑を通じて「問題があるというなら各省庁に聞いてくれ」と与謝野財務大臣が答弁してことを取り上げ、「しっかり聞くだけの予算審議をやるべき」と委員長にも提示したことにも言及し、「かなり問題があるので、それぞれについてたとえば30分間は最低質疑をする。場合によっては分科会のような形で質疑をするべきと考えている。単なるバラマキなのかということを議論を通して明確にしていきたい」とした。
菅代表代行はまた、税収のトータルが現在の見通しを下がるとの見解が政府側から示されていることを取り上げ、「1兆円下がれば、それを国債発行で穴埋めするのが例年であるので、そうすれば税収を国債発行額が上回るという、まさに財政破綻の究極的な形になる可能性が極めて大きい。そういう状況を招いた過去の財政運営と、将来に向けてどういう形で打開していくかということについてきちんとした答弁は得られなかった」とも指摘した。
そのうえで、「私としては、国の形の大改革を通して、こういった行き詰った日本社会、政治・経済を立て直して行く。それをある意味で国民のみなさんに伝えたかった」と語り、「現在の『官僚内閣制』から国会で多数を得た政党が責任をもって内閣をつくるという『国会内閣制』への転換と、中央集権ともいえる現在の官僚主権国家から地方主権国家への転換の必要性を指摘。
「それによって地方に財源・権限・人材が移って、そのなかから新しい活力が生み出されていく。財政配分も根本的に変わって、そのなかからより効果的な施策が各自治体を軸にして生み出されてくる。このことをなくして日本の再生はないと考えている」と述べ、党の考え方としてまとめ次期衆院選における政権選択の大きな対立軸にしていきたいとの考えを示した。
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