衆議院で与党の賛成多数で可決された「道路4公団民営化推進委員会設置法案」が、参議院で26日、審議入りした。11時から開かれた本会議で、石原行革担当相の趣旨説明に対し、民主党・新緑風会を代表して川橋幸子議員が質疑を行った。
法案は、道路4公団の民営化を前提とした新たな組織形態などを調査審議するための第三者機関の設置を規定するもの。民主党は衆議院段階で、第三者機関の人選と権限強化に関する修正案を提出、政府案には反対している。
川橋議員は、政府案について「道路4公団の民営化に道筋をつけ、国費は2002年以降投入しないと決定したことは評価できるが、民営化の組織形態も本四公団の巨額の赤字処理もすべてが第三者機関に丸投げされ、しかもその人選は抵抗勢力との水面下の調整次第。個別路線の整備についても最終的には国土交通省の判断に委ねられている」ことから、法案は到底賛成できるものではないと冒頭から表明した。
法案の具体的内容について川橋議員は、(1)第三者機関委員の人選について党・省庁側の意向に配慮せずに公正な人物を選ぶ決意があるか(2)今後の国による道路整備のあり方、その費用負担のあり方についてどう考えるか(3)本四公団がかかえる4兆円近い巨額の債務についての自民党の責任をどう考え、どう処理するのか(4)本四公団債務処理について特殊法人整理合理化計画の言及する「道路料金の活用」とは、他の3公団と一体のプール制を意味するのか(5)民営化後も国土交通相の施行命令のような国の関与を残すのか──と質した。
これに対し、小泉首相、石原行革担当相らは、(1)委員にはすぐれた見識を有する改革意欲に富んだ方々を選任したい(2)道路整備については効果的・効率的な事業の執行が重要であり、いかにして必要な道路をできるだけ国民の負担を軽くして作るか、徹底的な費用対効果分析が行われているか、などの基本姿勢に立ち返って見直す必要がある(3)本四公団の問題は、経済状況が変化する中で事業について根本に逆上った見直しを含めた決断が適時適切に行われなかったことによるもの。特殊法人整理合理化計画に示された「民営化する」「債務は確実な償還を行うため国の道路予算、関係地方公共団体の負担において処理することとし、道路料金の活用も検討する」との基本方針のもとで見直しを行う(4)道路料金の活用については、本四架橋も全国の道路のネットワークの一環であることから、高速道路の料金収入の活用も検討することとしたもの(5)民営化後の国の関与の改革については、第三者機関で調査審議されることとなる──と答えた。
|