4月28日に投開票が行われた参議院新潟県選挙区補欠選挙、衆議院和歌山県第2区補欠選挙、徳島県知事選挙の「トリプル選挙」で、民主党など野党推薦の候補が新潟と徳島で勝利を収め、2勝1敗の結果となった。
選挙結果を受けて民主党の鳩山代表は「この選挙結果はまさに今後の政局を転換させる重大な意義を持つもの。国民の小泉内閣に対する痛烈な審判を踏まえて、民主党は、後半国会の重大な焦点となる有事法制や個人情報保護法案などの審議を通じて小泉内閣と厳しく対峙、一刻も早い解散・総選挙を強く求める」などとする談話を発表した。
■参院新潟補選、黒岩候補が20万票差で圧勝
参議院新潟選挙区補欠選挙では、野党の民主、自由、社民、無所属の会、みどりの会議と連合や市民団体が推薦した新人の黒岩宇洋氏が、自民党の候補者におよそ20万票の大差をつけて圧勝した。黒岩候補の得票数は都市部だけではなく、従来自民党が強かった郡部でも自民党候補を上回り、小泉政権に対する批判の強さが顕著に表れた。
黒岩氏は「ここにいる皆さんの力があって当選することができた。この新潟の勝利を政権交代の第一歩にしたい」と話し、また「福祉の現場にいたので、安心できる社会を創り、国民に理解してもらえる政治をしていきたい」とこれからの抱負を熱く語った。
民主党新潟県連の筒井信隆代表は、「一対一のこの戦いに勝たせてもらった意義は非常に大きい。市民型選挙と、自民党の旧態依然とした癒着型選挙の差がこのような結果になった」と選挙戦を振り返った。
各候補の得票数は以下の通り。
黒岩 宇洋 無新(民由社無推薦) 54,1881
塚田 一郎 自新(公保推薦) 34,2207
桑原加代子 共新 13,2672
■徳島県知事選、汚職政治一掃掲げた大田候補が勝利
汚職事件で逮捕・起訴された円藤前知事の辞職に伴う徳島県知事選挙では、民主、社民、共産の3党が推薦した大田正候補が、自民、自由の支援を受けた河内順子候補らを下し、初当選した。
大田候補は、「勝手連県民ネットワーク」を中心に選挙戦を展開。政官業癒着の根絶、公共事業改革などを訴えて、無党派層から幅広い支持を集めた。当選を決めた大田氏は「県民のみなさんが、利権政治を一掃したいという思いで一票を投じてくれた。県政の立て直しに命をかけて取り組みたい」と語った。また、国の吉野川第十堰可動堰化計画について、完全中止を求める意向も明らかにした。
各候補の得票数は以下の通り。
大田 正 無新(民共社推薦)160,656
河内順子 無新 143,637
山崎養世 無新 37,033
■衆院和歌山2区補選は届かず
衆院和歌山2区補選では、民主党など野党3党推薦の無所属新人・岸本健氏が、地元の紀の川沿いや菅幹事長が遊説入りした橋本市などでは優位な闘いを進めたが、当選した石田候補と1万1千票差の約6万票にとどまった。
民主党和歌山県連の田上武代表は、「短期間だったが、鳩山代表が3回、菅幹事長が2回入るなど、民主党本部が全力を集中して取り組んだことに地元も大変感謝している。 残念だったのは、紀の川沿い以外に広がりを作るには十分な時間がなかったこと。今後はどのようにして都市部にしっかりした態勢を作って行くかが課題だ」と今後の闘いへの教訓を語った。
各候補の得票数は以下の通り。
石田真敏 自新(公保推薦) 71,631
岸本 健 無新(民由無推薦) 60,398
奥村規子 共新 13,094
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