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2009/05/20
【参院予算委】新生民主党の「友愛」の精神は現代に求められる重要な概念 峰崎議員
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 参議院予算委員会で20日午後、基本的質疑が行われ、民主党・新緑風会・国民新・日本の峰崎直樹議員が質問に立ち、鳩山由紀夫新代表を先頭に再出発した民主党への見解を麻生首相に質すとともに、15兆円の09年度補正予算案に盛り込まれている4兆円強の46の基金等について首相はじめ与謝野財務・金融・経済財政担当大臣らと議論した。

 峰崎議員は冒頭、北方領土問題に関して「個人的には3・5島返還でもいい」などと語ったとされる谷内正太郎政府代表の参考人招致を外務省に求め、同委員会への出席に関して質問時間までに回答を示すよう求めたにもかかわらず、外務省から何ら回答がなかったことを問題視。峰崎議員は「3・5島返還論とかが出てきているわけだから、これについて国民の前で議論する必要がある」として、中曽根外務大臣に実現を求めた。外相は「委員会でご指示があれば本人に確認する」などと答弁。それを受けて峰崎議員は明日21日の委員会における参考人招致の実現を理事会で検討するよう要請。質問時間終了までに回答を示してほしいと述べ、外務相に前向きな対応を重ねて求めた。

 続いて峰崎議員は、民主党は鳩山新代表を先頭に再出発したと改めて述べ、マスコミ各社の世論調査結果を示して「政党支持率も一気に上がった」として、どう見るか麻生首相に質した。首相は「世論調査の結果を把握していないので初めて見た。民主党の代表選挙について一定の変化があつたもの」などとした。峰崎議員はまた、鳩山代表は世襲禁止や企業・団体献金の3年以内の廃止を強く打ち出していると述べ、首相の認識を質問した。首相は「慎重な対応が必要」とし、「さらに議論するのは大事」などと述べたが自らの見解については明言を避けた。

 峰崎議員はまた、新型インフルエンザ対策についてもふれ、これまで政府が水際対策で実施してきたサーモグラフィによる感染者の発見に関して、発見率0・02%と低いことからWHOでは重視されていない点を指摘。にもかかわらず政府が1台約300万円のものを約150台随意契約で購入予定であることを取り上げ、本当に必要な支出かを慎重に検討する必要があるとした。同時に政府が一丸となって新型インフルエンザ対策に当っていた際、不祥事があった鴻池前副官房副長官を罷免すべきだったのではないかと指摘した。

 首相は、「(私的旅行のための)JRパスの目的外使用があったことは明らかに遺憾だ」と述べたが、「罷免については、健康上の理由を申し出たのを素直に受け取った」として、本人の申し出による辞任は不適切ではないと強弁した。峰崎議員は「官邸の危機管理能力を疑う」と苦言を呈した。

 峰崎議員は続いて、鳩山代表の友愛をどうみるかに関して首相に見解を質した。峰崎議員は「友愛」はフランス革命の自由平等・博愛に該当するのではないかとの見方を示すとともに、友愛とは互いに人の役に立ち、社会につながって居場所があることでもあると指摘。社会的な連体を訴えたオバマ米国大統領の就任演説にも通じるものであり、格差、貧困、社会的排除が社会問題化する現代にあって求められる精神であると指摘。「友愛の精神は大変重要な概念だと思う」と語った。

 峰崎議員はさらに、足元の現状を踏まえない政府の金融政策運営に関しても議論。白川・日銀総裁に対して認識を質した。白川総裁は「徐々に輸出・生産が下げ止まる数字が出てきているが、これはあくまで在庫調整の進展に伴うものだ」と答弁し、先行きについては「在庫が正常なレベルの戻った後どうなるかは最終需要の動き次第」「消費、投資については、この先はまだ弱いとみている」と慎重な見方を示した。峰崎議員は、「そろそろ出口戦略を考えるべきではないか」と釘を刺した。1〜3月期実質GDPは年率換算マイナス15・2%と過去最大のマイナスとなっている点にも峰崎議員は注視したが、白川総裁は、日銀が予測する2009年度の実質国内総生産(GDP)成長率についても「1〜3月の経済の厳しい姿を含め先行きの見通しを行った」としたうえで、「現状、この見通しを変更する必要があるとは考えていない」と強弁した。

 さらには、補正予算の法的正確に関して、15兆円のうち4兆円強が46の基金として3年前後の期間にわたる範囲で支出されることを、憲法上の観点で問題視した。同時に、今年9月しか任期がない内閣が来年・再来年以降の財政支出を決定すること自体、民主主義の観点から許されないこととした。

 なお、質問に終わりに委員長から明日の同委員会で谷内正太郎政府代表の参考人招致が実現することが決定したとの報告があった。

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