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2009/05/21
【参院予算委】峰崎議員、北方領土問題めぐる政府の認識を追及
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 参議院予算委員会で21日午前、基本的質疑が行われ、民主党・新緑風会・国民新・日本の峰崎直樹議員が昨日に続いて質問に立ち、峰崎議員の要請によって参考人として招致された谷内政府代表に対し、北方領土問題に関して「個人的には3・5島返還でもいい」などと語ったとされるその真意について追及した。

 峰崎議員は冒頭、「この場で国民の皆さんにその真意をお聞かせいただきたい」として質問。谷内参考人は自らの発言に関して、「『個人的には3・5島返還でもいいと思っている』いう類の発言は一切していない。ただ、全体の流れのなかで誤解を与える部分もあったかもしれないという反省はある。私自身も遺憾に思っている」と語った。中曽根外務大臣に対しても同様の報告をし、厳重注意を受けたことを明らかにした。

 峰崎議員は雑誌のインタビュー記事を読み上げ、その真偽を重ねて確認した。それに対して谷内参考人は、「私の基本的な立場は4島の帰属の問題を解決して平和条約を提起する。これは政府の方針通り」などと発言し、大前提だとした。個人的な考え方として「北方領土の問題について従来、諸先輩、政治家、政府首脳はじめ、十分議論されてきているところで、議論がし尽くされてきていると思う」と述べた。そのうえで、ロシア側との交渉の際は新しいアプローチが必要だとした。「例えば日本とロシアとの間で極東、あるいはアジア全体の平和と安全との観点から戦略的な構図を描いていく必要がある」などとした。「大きな構図のなかで北方領土問題を取り扱う必要がある。大きな構図いかんによってそれがどういうふうに、国民の納得しうる形で解決策ができるか、ここは大いに知恵を絞っていかなくてはいけないという考え方だ」と重ねて語った。

 そのうえで谷内参考人は峰崎議員の質問に関連して「(インタビューの際)個々のところはどう言ったか覚えていないが、今申し上げたような大きな構図のなかでこの問題を考えなくてはいけない」と述べた。

 峰崎議員は新聞記事を踏まえて「エネルギーや環境といった、他のアプローチという大きな戦略のなかで北方4島の問題を解決していかなければいけないとしている」と指摘し、首相に対して、「日本側からの型にはまらないアプローチ」ということでこの谷内参考人の認識を共有しているのかを質した。

 麻生首相は、その提案はメドベージェフ・ロシア大統領側からの提案であるとしたうえで、「最初の会談において先方から出された提案の一部。考え方の一部がそれである。私どもが提案したのではなく、先方から新しいアプローチが必要ではないかという話が出された」答弁。さらに首相はその際の自分の発言について、「両国間に平和条約が存在していないのがそもそも問題」という点を最初に指摘し、「領土問題が解決しないとこの平和条約に行き着かない。従って、北方4島の帰属の問題に関して最終的な解決をはかる必要がある」と語ったことを明らかにした。5月にプーチン首相来日時にも同様の発言を行ったとした。「日本の主張はこの点に関しては全く変わっていない」と重ねて答弁した。

 峰崎議員はそのうえで首相が考える4島返還の方法に関して質問。麻生首相は「基本的に段階論をとっているわけではない」と答弁。谷内参考人の発言についても、誤解を与えるような点もあったが、「段階的にやろうとしているわけではない」との認識を示した。「北方4島の帰属の確認がされれば、実際の返還への対応については柔軟に対応するというのが終始一貫している」と語った。

 型にはまらないアプローチについて、ロシア側が提案したものか日本からの提案かを再確認を求めた峰崎議員に対して首相は、「経済関係の話とか、パイプラインの話とか、少なくともそういうような話をきちんとやっていった方が、国内的にもわれわれはいろいろな問題の解決がしやすくなるから帰属問題ははっきりさせないと、そこらの話にいけないというのがわれわれの立場。向こうは経済関係やらなにやらの話をしないと先に進んでいかないから、自分たちにも世論があるんだという話が出されたので、私の方ではそういうふうに答弁した」と述べた。

 そうしたあいまいな答弁を前に峰崎議員は、「答えになっていない」と不快感を示し、谷内参考人に対して「閣議で決定された使節代表ですから国会の場に出てきてほしい」として、この問題の解決に向けて各委員会への出席を確認し、質問を終えた。

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