第2回目の党首討論(クエスチョン・タイム)が8日、参院第1委員会室でおこなわれた。
この日は、民主党参院議員会長の本岡昭次国家基本政策委員長が会長を務め、議事をさばいた。
鳩山由紀夫代表はまず、この日の朝発生した地下鉄日比谷線の事故にふれ、「亡くなった方のご冥福を祈るとともに、被災された方にお見舞いを申し上げる」と述べるとともに、首相に対し、徹底的な原因究明と再発防止策を求めた。
「このごろ世間では、ウソつきは警官の始まりと言われている。真面目な警官は泣いていると思わないか」――鳩山代表は一連の警察不祥事について首相の認識をただした。これに対し首相は、「警察官の不祥事は残念至極、新潟の件はあってはならない事件だった」と述べる一方、「俗っぽく言えば、運が悪かったのかも知れない。天網恢々疎にして漏らさず(悪いことをすれば必ず天罰が下る)とはまさにこのことだ」と発言。この無神経な発言に、委員会室は激しいヤジと非難の声に包まれた。
●「運が悪いとは、まさに体質の問題だ」
鳩山代表は即座に「運が悪かったとは、見つからなければみんなやっているということ。まさに体質の問題だ」と背景に踏み込んで問題点を指摘。
さらに「新潟県警不祥事の真の問題は、責任を逃れるために事実を隠し、ウソで塗りこめたことだ。保利国家公安委員長は持ち回りの委員会を、まるで開会したかのように答弁していたが、持ち回りであることは事前に報告されていたのか」と切り込み、首相は「逐一は報告を受けていない」と答弁。このため、鳩山代表は「報告義務を怠った保利委員長の責任は重い」と指摘。さらに昨年の神奈川県警不祥事を受けて始まった特別監察制度について、「形をつくればいいのか。機能しているのか。総理の責任も重いが、私たちはまず保利委員長を罷免するよう求める」と迫ったが、首相は「罷免する考えはない」と要求を突っぱねた。
鳩山代表は「人心が一新されない限り、国民の不満や疑問はうやむやにされ、問題の本質は解決しない」と重ねて罷免を要求したが、首相は応えなかった。
さらに鳩山代表は景気回復について、最近の世論調査を挙げ、「内閣支持率が下がっているが、不支持の主な原因は経済政策に対する批判の高まりだ」と指摘。「ジャブジャブ金をばらまいているのに景気が回復しないのは、なぜか。ゼネコンなど自分たちの応援団だけをえこひいきする政策だからだ。財政出動が国民の不安をむしろ煽っている」と述べ、無軌道なバラマキ政策を転換するよう求めたが、首相は「プラス成長していくと確信している」などと述べ、議論は平行線だった。
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