岡田克也幹事長(党地球温暖化対策本部長)は10日夜、党本部で会見を行い、同日、麻生首相が温室効果ガス排出削減の中期目標について、「2005年比15%削減」という目標を示したことに対して、地球温暖化対策としては極めて不十分との認識を示したうえで、民主党として温暖化対策を積極的に講じていく考えを記者団に語った。
はじめに岡田幹事長は麻生首相が発表した温室効果ガス削減の中期目標について、「実質的には90年比8%削減で、京都議定書で定められた数値とほぼ変わらないことは極めて残念」と遺憾の意を示した。さらに「温暖化の問題を大きな環境変化と受け止め、経済成長のエンジンとする大きなチャンスが目の前にありながら、頑なに内向きになってチャンスを生かせないまま日本が沈んでいくという実感である」と省エネルギー技術や代替エネルギーで発展の軸にしていく好機を自ら放棄したとの所感を述べた。
そして、「この数値目標で麻生首相は国際社会でのリーダーシップが取れると言うが、いかにして国際的に中国やインドといった国々を巻き込んで大きな枠組みが作れるのか。ぜひ機会があれば聞きたいものだ」と切り捨てた。
さらに岡田幹事長は温室効果ガスの削減にあたって、国民負担の増加を再三言及していることに、「具体的な対策も示さず強調することは妥当ではない」と述べるとともに、「麻生首相は、補正ではグリーン・ニューディールと呼び、雇用確保のためにも地球温暖化対策が必要だと言いながら、他方で厳しい削減目標を課すと雇用も失われ、成長率もマイナスになるとしている。とても同じ人が言っているとは思えない」とブレる発言を批判。今回の中期目標は到底受け入れられるものではないとの態度を明確に示し、民主党として温室効果ガスの排出量を2020年までに1990年比25%削減することを中期目標として明示していく考えを述べた。
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