中村哲治議員は18日午後、参院厚生労働委員会で、国民年金法等の一部を改正する法律案(国民年金の国庫負担率を3分の1から2分の1に引き上げる法案)の締めくくり総括質疑に立ち、麻生首相が昨年3月の中央公論で発表した論文を取り上げた。
このなかで首相が、「100年安心と言っていた年金制度。自戒をこめて言えば、信用する人は誰もいないのだ」としている認識、抜本改革が必要とした認識は今でもそうかと質した。首相は言を左右にして明確には答えなかった。
冒頭、中村議員は、消えた年金記録の再裁定の問題を取り上げ、年金受給額が増えると決まっても受け取る前になくなってしまう事例を挙げ、仮払い制度を設けるべきではないかと提案した。首相は、作業を急がせるとしただけで、「二重手間になる」として提案には応じなかった。
また、過去10年間の経済状況が続けば、2031年には、年金基金が底をつくとして、若い世代の年金制度への信頼回復を図ること、年金料を支払えるようにしないと制度は破綻するとして、認識を質した。これに対して、首相は過去10年はマイナス成長ととんでもない認識を示し、それを当てはめれば破綻すると答えた。
さらに、中村議員は「最低部分は税、年金記録は国家プロジェクトとして解決する」との中央公論の論文を素晴らしいとして、総理になったのだから、ぜひ実行をと迫った。
これにも、首相は「未納を助長する」と答えたため、中村議員は、官僚の書いた答弁書を読まないで、「官僚支配の構造をやめよう」として、解散総選挙をと迫った。
|