参議院外交防衛委員会で18日、海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律案(海賊対処法案)の締めくくり総括質疑終局後に反対討論に立った白眞勲議員は、ソマリア沖海賊へは各国が連携して対策を講じる必要性を指摘したうえで、海賊対処は一義的には海上保安庁の責務としながら、対応が困難な場合にはシビリアンコントロールを徹底する見地から国会事前承認等の条件など一定の仕組みのもと自衛隊の派遣を認めるものだとする民主党の考えを改めて表明。
政府提出の海賊対処法案は、海上保安庁が一義に実施するとしながらも、防衛大臣が特別な必要のある場合を判断し海上自衛隊の出動が可能であり、判断の主体が海上保安庁でない点が問題であると指摘し、自衛隊の派遣ありきであるとともに海上警備行動規定を拡大解釈し泥縄式に派遣したのは極めて問題であるとした。
白議員はまた、これまでの審議を通じ、政府がソマリア沖アデン湾に海上保安庁を派遣できない理由としたものが不適切であることが判明、海上自衛隊の護衛艦の派遣ありきの発想であり、理論構成が破綻していることが明らかになったと指摘。対策本部の設置、国会の事前承認など民主党の主張に対して政府・与党は全く応じず修正協議も決裂したことにも言及、真に海賊対処に寄与しない政府案には賛成できないと断じ、討論を締めくくった。
討論後採決を行い、賛成少数で同法案は否決された。
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