簗瀬進参議院国対委員長は19日午後、国会内で定例会見し、今後の国会運営等について語った。
簗瀬委員長は、民主党の議員立法である「生活保護法の一部を改正する法律案(母子加算復活法案)」、および父子家庭にも対象を広げる「児童扶養手当法の一部を改正する法律案」について、厚生労働委員会においてできるだけ早い審議・採決を求めたのに対し、昨日段階で自民党からその回答が得られなかったと説明した。
その後の動きとして同日、「参議院本会議前に行われた議院運営委員会において『採決』で決定した」と簗瀬委員長は述べ、厚生労働委員会において育児休業法等の審議が終わった段階で両法案の議論が行われることになるとの見通しを示し、「来週はそういう方向で厚生労働委員会は動いていく」と語った。
「参議院第一党になってから、とにかく議員立法をしっかりとやっていこう、その議員立法のテーマは次の衆議院議員選挙に直結するテーマであるべきだという方針を立ててやってきた」と改めて語った簗瀬委員長は「最後までやりぬいていきたい」とも表明した。
18日に衆院で可決された臓器移植法改正案の参議院での取り扱いについても言及。参議院・自民党から「間断なく趣旨説明を聴取してほしい」として、同日行われた本会議において直ちに衆議院で可決したA案の趣旨説明を行いたいとの強い申入れがあったことを説明。それに対して民主党からは一貫して、衆議院同様にいくつかの臓器移植法改正案について並行的に審議する必要性を主張したことを明らかにした。
「(並行的に審議する)その状況は参議院においても変更すべきではない。すなわち、様々な考え方をお持ち議員諸氏がいらっしゃるので、その皆さんの公平な審議の運びを旨とすべきだと考えている」と、基本的認識を語った。同時に、良識の府とされる参議院として、しっかりとした審議をこの法案においてもすべきであるとの認識に立ち、自民党の申入れに応じなかったとした。
簗瀬委員長は重ねて、「実際、今日の本会議で衆議院で可決された法案のみの趣旨説明をするという形になると、対案・修正案について本会議で説明する機会を事実上奪ってしまうことにもなる」と分析し、「言うならば先行的に衆議院で可決されたA案に採決について優位な地位を与えてしまうことになる」とも指摘。公平性を担保するためには、対案の提出状況を見極めたうえで、参議院の本会議で対案がでた場合、その対案と衆議院で可決されたA案を並行して議論していくべきであるとした。「こうした運びが参議院らしい対応である」と述べた。
「ただ、対案の出る機会を延々と待つわけにはいかない」と語り、「あまり長引かせるのは参議院としても許すべきでない」として、来週24日、遅ければ26日に本会議において趣旨説明を行うことになると見通しを示した。
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