松本剛明議員(党行政改革調査会長)は25日午後の衆議院本会議で、「国家公務員法等の一部を改正する法律案」について、麻生首相、河村官房長官、甘利公務員制度改革担当大臣の見解を質した。
冒頭、昨年に与野党で共同修正して成立した国家公務員制度改革基本法について「官僚主導といわれる現状の政府のガバナンスを改めるべく、必要な制度改革を断行して『政と官』のあり方を見直すことを目的としている」との理解を示し、その基本法を受けたはずの政府提出の本法案には問題があることを指摘した。
松本議員は、官僚サイドの言い分を鵜呑みにすることへの懸念、「政と官」の関係、天下り根絶への見解などを質問した。麻生首相は官民人材交流センターが行う再就職支援について、指摘された天下りとは全く異なると表明、国民から不信感や疑いを持たれないよう努めたいとした。
松本議員はまた、法案の内容について、幹部職制度、内閣人事局の肥大化、労働基本権の回復を例に議論した。「国益官僚の抜擢のための評価機関を、相も変らぬ霞が関の縄張り争いの対象としてしまう執念」を挙げて「怒りを禁じえない」と批判、コントロールできない自民党政権にも大変残念な思いがすると述べた。
甘利大臣は、基本法の趣旨を踏まえて立案しており、適材適所の幹部人事を柔軟に実現できると表明、内閣人事局の肥大化の懸念もあり、人事院や総務省からの移管範囲は基本法で求められている機能を果たすうえで必要不可欠なものに絞ったと述べた。
さらに松本議員は、労使関係制度検討委員会について、検討のスピードと内容は著しく不適切かつ不誠実だと疑問を表明、公務員制度改革全体のスケジュールにも大きな影響があるとした。
松本議員は最後に「自民党におかれては、補正予算に賛成してから『ムダがある』と指摘しても許されるくらいの文化のようだ。今からでも私たちの意見に耳を傾けて、本法案の過ちを正したらどうか」と所見を質した。首相は「現在の法案が最善のもの」として一刻も早い成立を求めた。
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