民主党はじめ社民、国民新の野党3党は26日午前、専門業務を除き製造業派遣を禁止する労働者派遣法改正案を共同で衆議院に提出した。規制強化の色合いを強めるため、法案の名称に「派遣労働者の保護」を盛り込み、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」を改め、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」とした。
民主党からは非正規雇用対策プロジェクトチーム(PT)座長の細川律夫衆議院議員、同PT事務局長の小林正夫参議院議員、山井和則『次の内閣』ネクスト厚生労働副大臣、同PT副座長の郡和子衆議院議員が法案提出に臨んだ。
法案では、日雇い派遣を禁止。派遣労働者の雇用契約については、雇用契約期間が2カ月以下の労働者派遣を禁止することとした。また、「2カ月以下の有期雇用契約は解雇予告が適用されない」「健康保険・厚生年金は2カ月以内の有期雇用は適用外」となることなどを考慮し、2カ月以下の雇用契約期間の場合、2カ月に1日を加えた雇用契約期間とみなすこととした。
同時に、直接雇用みなし規定を創設。派遣先が(1)禁止業務で派遣を受け入れた、(2)無許可・無届と知りながら派遣を受け入れた、(3)期間制限を超えて派遣を受け入れた――などの違法行為を行った場合、派遣労働者が派遣先に対して「あなたが私の雇用主です」と「通告できる」とし、派遣先と派遣労働者間に雇用関係が成立する規定を設けた。
また、均等待遇の観点から、「労働者派遣をし、または労働者派遣の役務の提供を受ける場合は、労働者の就業形態にかかわらず、就業の実態に応じ、均等な待遇の確保」が図られるものとした。
さらに、情報公開の重要性を考慮し、「派遣元から派遣労働者、派遣元から派遣先に対する通知義務事項を拡大」や「労働者派遣の受け入れにあたり、派遣先から派遣先労働組合へ通知義務」「いわゆるマージン率を含め事業運営の情報等についてHP等への公開の派遣元への義務づけ」を法案に盛り込むともに、「派遣先での不利益取り扱い禁止」「未払い賃金や社会保険未払いの派遣先の連帯責任」「派遣先への安全衛生教育の義務付け」「派遣労働者の個人情報保護」「派遣労働者所属労働組合と派遣先との団体交渉応諾義務」――など11項目について派遣先責任を強化する内容とした。
専ら派遣に関しては、法人及びその子法人から成る法人グループを「一つの派遣先」とみなし、派遣元は労働者派遣の役務のうち8割を超えて、一つの派遣先に提供してはならないと定めた。
罰則も強化され、現行最高額を300万円から3億円とし、「違法な労働者派遣事業を行った法人に対する罰則」「違法な労働者供給事業を行った法人に対する罰則」それぞれの強化、「派遣先に対する罰則の導入」も法案に盛り込んだ。
それに加え、専門業務を除き製造業派遣を禁止すること、一般労働者派遣事業について26専門業務以外は常用雇用のみとすること、派遣労働者等について、雇用される期間が6月未満であっても、雇用保険の被保険者とすること等、重要な改正も定めた。
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