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2009/06/27
三重県で農業・林業・漁業政策懇談会を開催 民主党農林水産キャラバン
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 民主党農林水産キャラバンは27、28日の2日間の日程で、三重県伊勢市、鳥羽市、津市、松阪市を訪れ、それぞれ農業・林業・漁業政策懇談会を開催した。懇談会には、座長の高橋千秋参議院議員のほか、一川保夫、姫井由美子、金子恵美各参議院議員、同県第4区の森本哲生衆議院議員、同県第5区の藤田大助候補らが出席した。

 高橋座長からは、「民主党はかねてから1次産業を重視してきた。今、民主党は総選挙に向けてマニフェストをとりまとめているが、農林水産政策も大きな柱の一つとなる。高齢化の問題、過疎の問題など、農山漁村は様々な問題を抱えている。今の政府にはできなかったこれらの問題を、政権交代して何とか変えていかないと、日本の1次産業は大変なことになってしまうのではないかと危惧している」と述べ、政権交代の必要性を訴えた。

 また、民主党は、農山漁村を6次産業化(1次産業[生産]×2次産業[加工]×3次産業[流通]=6次産業)するためのビジョン「農山漁村6次産業化ビジョン」をとりまとめており、そのビジョンに基づいて「農山漁村再生法案」を提出していることについても触れ、「この法案は基本法であり、これから実施法をつくっていかなければならない。実施法策定にあたっては、この農林水産キャラバンをはじめとして、より多くの地域の意見を反映させていきたい」と述べた。

 一川議員からは、「1次産業が国づくりの基礎だと考えて、地元の三重大学を卒業して、農林水産省に入省したが、今の政府・与党は農林水産行政を軽視していると思う」と述べ、全国各地の農山漁村地域で、今の政治のひずみが表れているとした。そして、「このような政治を続ける限り、農山漁村は永遠に良くなることはない。政権交代して、農山漁村を再生させなければいけない。日本は自然に恵まれている。この自然を大いに活かして、農林水産政策を立て直していきたい」と述べた。さらに、「これまで政府・与党は民主党の政策をつまみ食いしてきたが、農林水産政策についてはもはやそれすらできなくなってきているのではないか」と述べ、今の政府の農林水産政策に限界がきているとの見方を示した。

 姫井議員は、「農林水産と経済産業が上手く連携して、農商工連携を進めていきたい。多くの人が農林水産業に参入する道を開いていくことが必要だ」と述べ、民主党の戸別所得補償制度は農商工連携には必要不可欠な制度だとした。また、「民主党農山漁村6次産業化ビジョンには、あらゆる生活が農林漁業に支えられていると書いている。農林漁業の現場が必要としているものを地域の人たちと議論しながら、具体的な政策としてとりまとめていく努力をしていきたい」と述べた。

 金子議員は、「私も農家の出身であり、後援会長も林業を営んでいる。民主党は農業と関係している議員が少ないと思われがちだが、民主党には農林水産業に近いところにいる議員が多い」と述べた。また、「農林水産業についてはやりたいと思っている若い人たちが沢山いるが、受け入れる環境が整備できていない。また、農山漁村で後継者が育たない現状も打開できない。今の政府は、農林水産業に対する具体的な施策がほとんど打ち出せていないのが現状だ」と述べ、今の政府の農林水産政策を批判した。その上で、「民主党は、農山漁村6次産業化ビジョンや農山漁村再生法案などを次々に提起しているが、1次産業が成り立つような仕組みづくりをしていきたい」と述べた。

 会場からは多くの意見が出されたが、農業については「農地法の改正」などについての意見が出された。これについては、「民主党は今回の改正にあたって、『耕作者主義』を残すことを確認してきた。意欲のある者が農業に参入してくるものを拒むものではないが、農地を守るべきだと考えている」と応えた。また、「今回の改正では、農地の権利者には農地の有効利用を行う責務があることを明らかにし、農地として活用できない場合は、株式会社等法人がリースの形式での参入を認めている。一方で、農地転用が厳しくなるため、農業委員会や土地改良区といった地域の人たちが責任を持って管理することが求められることになり、農山漁村を守るために地域を挙げて努力する必要が出てくる」とし、農業委員会の責任が非常に重くなると述べた。

 森林・林業については、「国産材のあり方」等についての意見が出された。これに対
しては、「民主党は、森林・林業政策として『森と里の再生プラン』などをまとめてきたが、林業には抜本的な改革が必要だ」と述べた。そして、「政府の緊急経済対策が農林漁業にも付けられているが、農林漁業は1年、2年で急激に転換できるようなものがほとんどない。活用できる恒常的な予算をつけていかなければ解決しない」とし、政府の小手先の緊急対策では林業が再生することはないと訴えた。さらに、「戦後50年余り、自民党という政党が台頭してきたことが、様々な弊害をつくってきてしまった。そして、利権構造ができあがってしまっているため、自民党は林業を大きく変えることが絶対にできない。民主党が変えていかなければならない」と述べ、今の状況を打開するためには、民主党が政権を奪るしか道はないとした。

 漁業については、「燃油高騰の影響」や「海産物の流通」についての意見が出された。これについて、「燃油高騰対策はもちろん行いたいと考えているが、所得補償制度を導入し、農業以上に変動が激しい漁獲高の補てんをしていかなければならないと考えている」として漁業でも所得補償が必要だとした。また、築地市場の状況を例に挙げ、「漁業においては、流通制度に大きな問題があると考えている。市場の再編を進め、現場の漁師にとって、どのような制度を構築するのが良いのか、中央卸売市場等の整備を含めて検討を進めていきたい」と述べた。そして、水産業全般の問題として、「1次産業の中でも、水産業は特に対策が遅れているのではないか。民主党は、水産業においても6次産業化をすすめ、漁業を活性化させたいと考えている。政権交代をして抜本的に水産業の構造を変えていかなければならない」と政権交代の必要性を訴えた。

 一行は、政策懇談会のほか、JA三重ベジマルファクトリー(野菜カット工場)などを訪れ、JA三重中央の組合長らと意見交換を行い、次の農林水産キャラバン開催地である京都へと向かった。

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