菅直人代表代行(党緊急雇用対策本部長)は28日、都内で開催された「派遣村全国シンポジウム〜派遣村から見えてきたもの 今こそ労働者派遣法の抜本改正とセーフティネットの構築を〜」と題した集会において党を代表して挨拶。派遣村の閉村について「近年、当事者的な活動が政治を動かす機会が少なくなってきたなかで、派遣村の活動は、政策的にも政治的にも非常に大きなインパクトを持ち、政治を動かすことができる実例として大変意義深い活動であったと感じている」として、派遣村の半年にわたる活動に敬意を表した。
菅代行は挨拶のなかで、民主党を中心にして雇用保険法改正案や求職者支援法案を提出したことを紹介しながら、09年度補正予算において求職者支援法の内容が、不十分ながらも一部取り入れられたことについて「適正に運用されなければ効果はない」とし、形式的に取り組むことのないよう、政府の運用に注文を付けた。
また、先に衆議院に提出した労働者派遣法改正案に関連して、さまざまな議論を経たものであり、「まずは今国会で第一歩をふみだした」と成果を強調。さらには労働者派遣という制度に言及し、「日本経済は製造業の高い技術力に支えられてきた面があるが、労働者派遣という形態が広がることで、技術の伝承レベルが落ちてきており、今後外国との競争において致命的なものになりかねない」と問題を提起。労働者の派遣は「雇用の問題、人間の尊厳の問題、日本の産業政策として、根本的な見直しをしなければならない段階にきている」との見解を示した。
最後に、菅代行は「近く行われる衆議院総選挙において政権交代を実現さて、もっと大きな責任をもってこの問題に取り組まなければならない」とし、労働者派遣の問題について今後も積極的に取り組んでいく姿勢を強調した。
この集会では、社民党、共産党からも代表者が挨拶に立ち、これまでの派遣村での取り組みの報告と現状での課題などが議論された。
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