家西悟参院議員は、29日午後の参議院決算委員会で、委員会で議論となったなかから(1)随意契約の見直し(2)年金記録問題への対応、(3)基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化のメドが立たなくなったなかで財政健全化政策に向けての取り組み方針――の3点について、委員長の立場から麻生首相の見解を質した。
家西委員長はまず、随意契約の見直しに向けた取り組みに関して、所管省庁から天下っている業者への随意契約が依然として高いこと、府県、独立行政法人において、入札参加業者が1社のみの落札率100%の契約が4000件以上もあることなど、官製談合の疑いをかけられかねない事例が明らかになっていると問題視。契約の競争性、透明性の向上に向けさらなる取り組みが必要だとして、麻生首相の所見を求めた。
麻生首相は、順次見直しを進めてきたことで競争性のない随意契約の割合が下がってきていると強調。これまで民間参入を制限していた参加資格の緩和や状況を監視する第三者機関の設置など、契約の適正化に向けて鋭意勧めていると述べた。
次に、「消えた年金記録」への対応状況と改ざん問題について、5095万件の記録未統合の年金記録の発覚から2年が経過した今なお、解明済みは全体の約50%に過ぎないと指摘。標準報酬月額の記録が改ざんされた可能性のある6万9000件にも言及し、全容解明と被害者救済に向けた今後の取り組み方針を質した。
麻生首相は、未統合記録の問題に集中的に取り組んできたと説明。完全な解決には時間はかかるが、作業スタッフを1万人規模にし、来年1月の「日本年金機構」設立までにひと区切りがつけられるよう全力を尽くすと答弁。年金制度信頼回復に向け引続き解決に向け取り組んでいくと語った。
最後に、平成21年度補正予算案では、その財源として国債発行額は40兆円を超え国債発行額が税収を上回るという非常事態だと指摘。プライマリーバランスを黒字化するとの財政再建目標は達成不可能な状況であり、予算計上した事業の妥当性、費用対効果などを検証し歳出の徹底的見直しが不可欠だとした。
これに対し麻生首相は、「予算の無駄排除に不断の努力することは当然」と述べ、費用対効果、優先順位を見極め予算編成行っているとして、正当性を強弁した。
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