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2009/07/12
民主党農林水産キャラバンが宮城県内で農業集会を開催
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 民主党農林水産キャラバンは12日、宮城県を訪れ、大崎市、加美町などで農業集会を開催した。今回のキャラバンには、平野達男、主濱了両参議院議員、石山けいき・宮城県第4区総支部長、地元市議らが出席した。

 冒頭、平野議員より、「これまでの民主党は1次産業に対する政策が明確でなく、都市政党ではないかと言われてきた。しかし、5年前に農林漁業再生プランを示し、さらに、農業者戸別所得補償制度、農山漁村6次産業化ビジョンを提起したことを機に、民主党農政への期待が高まってきた」と、民主党が1次産業を重視している姿勢を強調した。

 また、「農山漁村では過疎化が進んでいる。特に中山間地域には後継者がいない。耕作放棄地になると周囲に迷惑がかかるので、高齢者たちが体の続く限り採算度外視で農業を続けているというのが現状だ。もちろん今後20年、30年頑張ってもらいたいと思うが残念ながらこの状況は長くは続かない」と述べ、日本における農山漁村の危機的状況を指摘した。

 その上で、全ての販売農家を対象とする戸別所得補償制度の必要性について触れ、「農山漁村は今、急激な変化を迎えている。後継者がいなくなっている現状においては、法人化を進めるなど、変化にあわせて農地を流動化させていかなければならない。今の政府の品目横断的経営安定対策は、無理矢理、こういう形態をつくれというもの。しかし民主党の所得補償制度は違う。それぞれの地域に応じた補償を地域毎に行う制度だ」と述べた。

 また、「現行の品目横断的経営安定対策では自給率は向上しない。麦・大豆の生産をして生活できるような環境を整備する必要がある。一定の需給調整は必要で、自給率を上げていかなければならない」と述べた。

 主濱議員からは、「現行の品目横断的経営安定対策では、米については何の補償もな
されていない。今年から水田フル活用対策が始まり、麦・大豆・米粉・飼料用米など、転作の際の一定の支援制度を講じたが、この対策は今春発表されたばかりであり、現時
点では何の役にも立っていない」と政府の対応を批判した。

 その上で、民主党が農山漁村再生法案を衆議院に提出したことについて触れ、「この法案には、食料自給率を10年後に50%、20年後には60%にすることを明記されている。米のように自給率100%を超えているものは、今以上に食べてもらうことが重要だ。私たちは、うどんやパンを食べているが、原料である小麦、大豆、油糧種子等はほとんどが輸入であり、自給率を下げている。これらを国内での生産にシフトする必要がある。そのために、具体的な生産目標を設定して、生産費と販売価格の差額に対して交付金を直接農家の家計に入るような仕組みをつくりたい」と述べた。

 さらに戸別所得補償制度の財源についても触れ、「民主党は1兆4千億円程度の所得補償制度を導入するが、財源の心配には及ばない。212兆円の予算を抜本的に組み替え、ムダをなくしていくことで十分対応できる。確かにムダを削るのは大変な作業になるが、組織再編等で十分でき得る話だ。米については、政権獲得後一年ほどで実施できるはずだ。そして、麦、大豆等についても、政権獲得後三年ほどで実施できる」と述べ、政権獲得後は、農山漁村再生法案に記されていることを一つ一つ実現していきたいとした。

 会場からは、「米離れをどのように防ぐのか」、「所得補償制度で農家にはどれくらいの配分があるのか」、「農地法で農地はどのように変わるのか」等の意見が出された。

 これらの意見に対して、米離れについては、「日本人の舌は子ども時代の学校給食によって欧米化してしまい、結果として米離れが起きているのではないかと考えている。今度はその逆をやればいい。そういった食育によって和食の文化を取り戻し、米の消費拡大をめざしていきたい。また、米粉の普及も必要だ。米粉製品のさらなる開発や財政的支援も積極的に進めていきたい」と応じた。

 所得補償制度については、「農家によって状況は大きく異なるが、概ね、米は2千億〜3千億円程度、麦と大豆の制度設計は極めて難しいが、6千億〜7千億円程度になるだろう」と応えた。そして、「小規模農家から大規模農家まで、家族労働費を含めて農業で赤字になることがないような制度にしなければならない。さらに、規模・品質・環境加算等の加算も積極的に行い、努力した農家にしっかりと手当てできるような制度を構築したい」と述べた。また、「特に、麦や大豆は諸外国に比べて品質が悪い。何とか品質を上げて、競争できるものにしていかなければならない」と問題点についても述べた。

 農地法改正の影響については、「これまでの農地法は、土地法制の中では権利を認める人を限定している異色な法律だった。今回の改正で、所有権は農家と農業生産法人にしか認めないものの、賃借権は原則自由化し、農地の流動化を促進しようというものになっている。民主党はその際、実際に耕作している人に権限を認める『耕作者主義』を堅持することを明確にしている」と応えた。

 最後に、「1兆4千億円もの税金を農山漁村に投じるわけだが、民主党は、1次産業を守ることが、日本の国を守ることにつながると考えている。今、地球の人口は90億人になろうとしている。そうなれば必ず食料が足りなくなる。食料がなければ私たちは生きていくことはできない」と述べ、農山漁村を再生させなければ日本の再生はないとした。

 このほか一行は、農家民宿や、わさび園を訪れ、宮城県の農山漁村を実際に視察した。

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