菅直人代表代行は29日午後党本部で記者会見し、27日に発表した政権政策のうち、政権構想について補足し、事務次官会議の廃止は明治憲法下の官僚内閣制から現憲法下の議院内閣制への大転換の象徴であると説明した。
菅代表代行は、明治憲法下では、天皇が首相を指名して内閣を構成し、官僚も天皇の官吏であるが、現憲法下では国会での多数で首相を決めること、多数党のリーダーが首相になること、多数党が政権党として政権運営に全体に責任をもつ制度であることを改めて説明。明治以来続いている事務次官会議の廃止は、大転換を意味すると述べた。
また、官僚の役割について、政治的中立を保ち、専門的知識をもって大臣などを支える存在だとしたうえで、党の政権構想に示された新しい霞が関の形に言及し、「このモデルのほうが官僚の皆さんも仕事がしやすい」と指摘。
その理由について、中堅・若手の官僚の皆さんが、いつ終わるか分からないような、何かがあったときに備えて待っているという国会対応による残業が当然のように続いていることを挙げ、「あまりにも官僚が政治に入り込んでいる。国会答弁なども、本来は政治家である大臣の責任だが、官僚が自ら、答弁に責任を持つ形にまで入り込んでいるので、こういう事態が起きている」との見解を明らかにした。
記者から自民党のマニフェストについて質問を受けた菅代表代行は、4年前の選挙で政権を維持したのは自民党であり、その時に約束したことで何ができ何ができなかったかをキチンと書くべきで、それがないならマニフェスト選挙の意味を理解していないことになると答えた。
また、民主党の優勢が報道され、風が民主党に対して吹いていることでゆるみが出ているのではとの質問に、自分自身は楽観していないとしたうえで、もしそうした予定候補がいるなら「指導していきたい」と答えた。
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