鳩山由紀夫代表は2日、千葉県下を精力的に回り、おくの総一郎・千葉県第9区、谷田川元・同10区、若井康彦・同13区、内山晃・同7区の各総支部長とともに街頭演説をそれぞれ行い、「税金のムダ遣いをなくし、国民の皆さんが求めるところに税金が使われる政治に変えていこう」と訴えた。
最初の街頭演説会場となった四街道市のJR四街道駅前を埋め尽くした1500人ほどの皆さんに対して、おくの9区総支部長は「私はもともとは官僚でした」と自らを紹介。「政権交代を夢見て、この国に政権交代が必要だと思って」総支部長として日々活動する道を選んだと語り、「その夢が間もなくかなおうとしている」と表明。その実現に向けて、民主党への支持を訴えた。
おくの総支部長はまた、日本の失業率が戦後最悪の5・4%を記録したことにも言及。「雇用調整助成金によって350万人の方々が職を得ていることをふまえて考えると、この方々も含めるとなんと日本の失業率は8・8%になる」と分析し、日本社会の深刻な実態を明らかにした。また、麻生首相が先の国会で次々に打ち出した補正予算について、「経済が大事ということで総理は補正予算を組んだが、その効果はまったく現れていない。国の借金だけが増えて、一向に景気はよくならない」と指摘。そうした現状に対し、政権交代によって税金の使い方を変え、皆さんの暮らしを変えていきたいと力説した。
成田市で行われた街頭演説では、街宣車を取り囲むように、すり鉢状の広場に約5000人の皆さんが集まり、政権交代への期待の高まりを感じさせた。そうしたなか谷田川10区総支部長は、「郵政が民営化されればすべてがばら色になると4年間の選挙で自民党は訴えたが、ご自分の暮らしが良くなったという人はどれだけいるか」と問いかけると、「いるはずない」「いない」の声が皆さんの間から続いた。谷田川総支部長は、銚子市立病院が閉鎖に追い込まれた例をあげ、医師不足など医療現場の崩壊の実態を明かすとともに、これまで自公政権は医師不足の実態を否定し続けてきた点も指摘。「世界と比べても日本の医師不足の現状は深刻だ」として、「必要な医療に皆さんの税金が使われる形に変えて行こうではないか」と述べ、国民の皆さんの手で政治を変えていくことの重要性を強調した。
続いて行われた印西市での街頭演説では、大型店舗から出てきた人たちが次々に、演説を聞きいる聴衆の皆さんの輪に加わり、幾重にも街宣車を取り囲んだ。そうしたみなさんに対して若井13区総支部長は、「少しでも早く税金の使い方をあちらからこちらへと移すべきときだ」と力説。その理由として一昨年から、2000年間人口が減少したことがない日本で人口減少が起こっていると指摘し、これまでの政治手法は通用しないことを明らかにした。そのうえで若井総部長は「そのための状況を整える必要がある」として、少子化対策が「政治のまったなしの課題になっている」と分析。しかし現政権はその実現への役割をまったく果たしていないとした。若井総支部長は毎年3万人の自殺者が出てしまっている日本の現状も憂慮し、「こうした状況を変えることこそ、次の時代を開く唯一の道筋だ」と語った若井総支部長は、その実現を民主党にまかせてほしいとした。
新松戸駅前の街頭演説も多くの皆さんで駅頭は埋め尽くされた。鳩山代表は社会保険労務士でもある内山7区総支部長について、年金問題のプロとして、「消えた年金」「消された年金」の問題解決において不可欠な人材だと評し、これらの問題について民主党は国家プロジェクトとして取り組み、早期の解決を目指していくことをマニフェストにも盛り込んだことを紹介し、「そのプロジェクトにおいても重要な人材だ」とした。
鳩山代表はまた、徹底的に税金のムダ遣いを調査していくなかで得られた財源によって子ども手当や戸別所得補償制度、年金問題の解決など、民主党が政策を実現していくことができるとして、消費税を4年間は引き上げないことを改めて表明した。同時に民主党に対して、「民主党は財源論があいまい」などと批判し続けてきた自民党のマニフェストにおいては、一切、財源が示されていない点も取り上げ、「民主党と自民党、どちらがまじめに国民のみなさんの政治を立て直そうとしているのか見比べてほしい」と語った。
さらに鳩山代表は、4年前の衆院総選挙で自民党がマニフェストで示した政策について「民営化すればすべてはばら色に」どころか、日本全国でさまざまな格差が拡大し、全国で深刻な事態となり、まさに「マニフェスト違反」となっている点を指摘。「彼らに総括してもらい、彼らに責任をとってもらおうではありませんか、皆さん」と問いかけると、賛同の拍手と「そうだ」の掛け声がつづいた。
|