岡田克也幹事長は10日、東京・渋谷のスペイン坂スタジオを訪れ、TOKYO FMの番組「Wonderful World」に生出演し、パーソナリティの小山ジャネット愛子さんの進行で、20〜30代のリスナーから番組に寄せられた質問や要望に答えながら、政権交代の必要性を訴えた。
番組は、渋谷の街を行き交う20代の若者たちのインタビューからスタート。続いて、岡田幹事長の人となりを紹介するために用意された10個の質問では、「Q.肉食系男子と草食系男子、自分はどちら?」→「わたし自身は草食系男子は自覚しています」、「Q.育児や家事でご本人がしていることは?」→「昔は食器洗いや掃除を働いている妻と分担していましたが、今は自分の靴磨きくらい」などと、ときおり照れ笑いを浮かべながら答えた。
番組が20〜30代の若者たちに取材したところ、大きな関心事は「雇用不安」と「日本の借金体質」のふたつという結果に。その対策を問われた岡田幹事長は、まず雇用対策について、「自分の子どもも最近まで『就活』を必死になっていたので、その
大変さはよくわかる」としながら、「経済が成長しなければ根本的な解決はできない。今までのような輸出主導型のモデルはもう通用しない。消費を増やすために国の予算を個人に直接渡し、年金・介護といった将来の不安をなくし、内需主導型の経済を作る」と党の基本的な考え方を説明。また、財政健全化については、「わたしは財政再建を重視する政治家のひとりだが、今の経済は非常事態。これだけ税収が落ち込んでいる中で計画を描いても、絵に描いた餅になってしまう」として、当面は景気回復を優先する考えを示した。
後半では、民主党の子育て支援策がテーマに。岡田幹事長は、「子育てを全て個人の負担とするのではなく、社会全体で後押しするように考え方を大きく変えるべき」と述べるとともに、「損得で論ずる話ではない。国や社会は、人口が減少する中で長期的に成長していくのは難しいし、子どもを生み育てることをさまざまな理由であきらめている人たちがたくさんいるのが現実だ」と、政治による支援の必要性を強調。
さらに、これまでの配偶者控除を廃止することに関しては、「これは個人の生き方に国が介入している例。共働きと専業主婦のうち、国が専業主婦が望ましいと後押しする制度はいかがなものか」と述べた。
岡田幹事長は最後に「政治は、誰かが変えるのではなく、一人一人が本気になったときに変わる。一歩踏み出す勇気を持ってもらいたい」とリスナーへのメッセージを語り、番組を締めくくった。このあと、スペイン坂に出て、道行く若者たちや家族連れにマニフェストを手渡して、党への支援を訴えた。
ところで、番組中で流される音楽として岡田幹事長が選んだのは、さだまさしさんの「風に立つライオン」。この曲は、アフリカで医療活動に従事する日本人青年医師が、日本に残してきた恋人から届いた結婚報告の手紙に対する返信を歌詞にした1987年の作品。さださんのライブでこの曲を聴いて感銘を受けたという岡田幹事長は、「私もケニアに行ったことがあり、人々の輝くような瞳や、エイズで苦しむ子どもたちや、その中で頑張っている日本の若いNGOの人たちを思い出す」と語っていた。
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