8日、参議院本会議で民主党・新緑風会の辻泰弘議員が質問に立ち、平成12年度決算に対する質疑を行った。
辻議員はまず「平成12年度の日本経済を顧みる時、同年度に最悪を更新した失業率と倒産負債総額に象徴される景気低迷が今日まで続いている事を改めて痛感する」と述べ、小泉内閣発足以来1年、「改革なくして成長なし」というスローガンも今や色あせ、「改革なしなし成長なし」だと現状を痛烈に批判した。その上で、辻議員は、経済・財政問題、小泉政局、12年度に関わる重要政策課題、靖国参拝問題、官房機密費問題など、改革の実効性が上がらない小泉内閣を追及した。
経済・財政問題については、構造改革のスピードと景気回復をもたらすプロセス、経済活性化策、雇用創出の対処、国債30兆円枠の方針変更の点を質した。小泉首相は全ての面において「改革は着実に進んでいる」と何ら具体性のない答弁にとどまり、塩川財相においては「国債30兆円枠」は構造改革の表れとしながらも歳出各分野の方向性は明確さに欠ける答弁であった。
続いて、医療制度改革について辻議員は「平成12年までの抜本改革を約束した時の厚生大臣として、医療制度の実質的な改革にもっと責任を持ち精力を尽くすべきだ」と強く訴えた。ここでも、小泉首相は「基本方針を本年中にまとめる」と終始官僚的な答弁であった。
最後に、辻議員は戦後2番目の企業倒産、最悪の失業率、それらに伴う内閣支持率の低下から、「ライオンが沈みゆく夕陽に向かって空しく咆吼するがごとく、今や小泉内閣に、物悲しき黄昏時が迫りくることを予感する」と締めくくった。
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