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2002/05/08
【衆院厚労委】五島議員、健保法改正案の問題点をつく
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 8日、衆議院の厚生労働委員会で、民主党の五島正規議員が質問に立ち、健康保険法等の一部を改正する法律案をめぐり、診療報酬改定の諸問題、市場主義導入による影響、高額療養費償還払い制度の行方などについて質した。

 平成14年度社会保険診療報酬等の改定概要では、長期入院に係る保険給付の範囲の見直しとして、患者側の事情により6カ月を超えて長期入院している患者については特定療養費制度の対象とし、保険給付の範囲を見直し、患者の自己負担を医療機関が自由に徴収していいとしているが、他方で、同一医療機関内であっても一度、3カ月以上介護療養病床に移った後に、改めて医療療養病床へ転床させた場合はリフレッシュしたものと見なされ、改めて6カ月は保険給付の削減はしないとされている。こうした改定概要の内容について、五島議員は「同じ病院内で、介護療養型と医療療養型との間で、患者を転床させてたらいまわしにすることを暗にすすめることにつながるのではないか」と指摘した。

 坂口厚労相は「現時点でもたらいまわしは起きている」などとし、病院に居続けるという状況を避けるという考え方に基づき、症状に応じて行う対応だと説明。それに対して五島議員は、介護保険と医療保険の問題が整理されているとは思えないと批判した。

 また、五島議員は腎透析患者の取扱いをめぐって、短時間透析へ移行させようとしている点を問題視し、短時間透析が必ずしも透析医療費抑制にはつながらないと指摘した。そもそも短時間透析と長時間透析の医療効果はイコールではなく、短時間透析の標準化は透析予備軍を適切な医療によって抑制しようとする医療機関の努力を弱めることにもなりかねず、結果として透析医療費を押し上げることになるとの見方を示した。

 こうした問題を指摘した上で五島議員は、「こうしたバカげた提案がなぜ出てきたかを考えると、経済財政諮問会議及び総合規制改革会議の答申に戻らざるを得ない」と言及。国民が等しく、様々なコントロールによって健康な状態を維持する健康寿命の延長を望んでいるなか、医療は強い規制のもとに置くことが必要だと指摘し、その意味では政府が提案する市場主義の導入は、国民皆保険制度の崩壊につながると批判した。

 さらに五島議員は高額療養費償還払い制度について、償還額が政令事項とされ、国会で審議されることなく年々引き上げられている点を批判。また、入院医療費についても今改正案で3割自己負担としていることについて「3割負担を導入しても短期の一部を除いて高額療養制度により医療費全体への影響はほとんどない。政府は長期療養を優遇して短期入院を圧迫するつもりなのか。それとも最終的に高額療養制度を廃止するつもりなのか」と追及し、そもそも高額療養費償還基準額は政令ではなく、健保法本体で決めるべきだと強く主張した。

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