平野博文官房長官は28日午前、首相官邸で記者会見を行い、昨日夜、関門海峡付近で発生した海上自衛隊の護衛艦「くらま」と韓国籍の貨物船の衝突事故について言及。政府は第一報を受け、直ちに総理官邸に情報連絡室を設置するとともに、総理からの指示で情報収集等を行い、危機管理に万全を期してきたこと、海上保安庁及び防衛省において原因究明に全力を挙げていることを報告した。
さらに鳩山政権にとって初の危機管理対応のもと、情報集約対応について瑕疵はなかったとの質問には、「初めての事案であったが、初動対応に対しては総理の指示のもとに、万全に対応できたと認識している」との見解を示した。
同日午後の会見では、衆議院本会議で始まった鳩山由紀夫総理大臣(代表)の所信表明演説に対する各党代表質問への総理答弁について問われ、「総理は丁寧に質問にお答えしたと思う。質問の中身についても三党合意、マニフェストを含めて、いわゆる鳩山内閣としての考え方、あるいは所信に対する部分について充分に自らの思いを含めて答弁されたと思う」と、印象を語った。
答弁作成にあたっては各省庁から情報提供を求めたかとの記者の問いには、情報提供を求めたことを明かし、同時に、「今回の件(答弁)は、ほとんど総理の所信の中身であるので、こちらの秘書官並びに党の専門調査員、基本的には総理自身がそこに思いを入れてつくられたものと考えている。役所の皆様方の情報はもちろん大事なものは入れているが、それ以外、ほとんどは官邸主導、政治主導という考え方のもとに作成できた。非常に分厚い資料になった」と回答。判断するうえでの必要な情報提供は各省庁に求めたが、基本は官邸主導、党主導で資料を作成したうえ、それを踏まえてどう回答するかは政治主導で行われたことを明らかにした。
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