「2009年女性議員ネットワーク会議」は、24日午後、全体会に引き続き、法務大臣の千葉景子参議院議員と内閣府大臣政務官の泉健太衆議院議員を講師に招き、研修会を開催した。
泉大臣政務官は、「子ども手当と子育て支援策について」と題して講演を行った。
講演の冒頭、泉大臣政務官は、昨日、子どもとの入浴中に次女がけいれんを起こしたことを紹介しながら、「日々、女性の皆さんは、せめぎあいの中で仕事をしているということに改めて気づかされた。女性のみなさんが仕事を一生懸命したいが、家庭のことがあったら、まずそちらに行かなければならないことに対して男性ももっと意識を持たなければならない」と述べた。
次に、少子化対策・男女共同参画の担当大臣政務官として現在取り組んでいる「子ども手当」「保育政策」「乳幼児医療」「不妊治療」「男女共同参画」等の政策についての講義があった。
特に、子ども手当については、従来の児童手当は、親の立場に立って親の視点での支援だったが、「子どもの成長・発展に立って子どもに支援する手当である」と改めてその意義を説いた。そのうえで、来年4月から制度を開始し、6月に第一回目の給付を、3・4月の児童手当と5・6月の子ども手当と一緒にできるように、政府内で目指していることを報告した。
また保育政策については、保育の質を維持しながら、特定の自治体に偏在している待機児童の問題について、もっと使いやすい保育園の運営を目指し、「賃貸物件を活用する分園保育や来年から法制化する保育ママ等を活用していくことで、解決していきたい」と意欲を示した。
千葉景子法務大臣は、「子どもと女性の権利の法制度整備について」と題して講演を行った。
千葉大臣は「新しくスタートした政権がより一層、充実をするために政府の一員として尽力したい」と改めて決意を述べ、選挙中にマニフェストで訴えた政策の先行きがなかなか見えてこないという指摘もあるが、それぞれの場所で議論をし、方向づけている状況であるということを報告した。
「『個人通報制度条約』の批准」「『女子差別撤廃差別』の選択議定書の批准」「人権救済機関の設置」「取調べの可視化」「民法の改正」「児童ポルノに関する問題」「ハーグ条約(国際養子縁組に関する子の保護及び国際協力に関する条約)」「成人の年齢」等、現在、千葉大臣が取り組んでいる法務行政についての説明と法務省や政府内での議論の進捗状況についての講義がされた。
その他、DVの問題など見直していかなければならない、整備をしていかなければならない問題も多いことを指摘した。
講演の最後に千葉大臣は「女性にかかわる、子どもにかかわる政策課題、問題は、みなさんとの協働作業によって解決していくものが多いので、今後も、みなさんと議論しながら解決していきたい」とより一層の連携への期待を示した。
研修会ではまた、事例報告として、昨年まで女性議員ネットワーク会議のメンバーであった井戸正枝衆議院議員から「民法772条の展開について」の進捗状況の報告。三宅由美札幌市議会議員からは、本年4月から札幌市で施行された「札幌市子どもの最善の利益を実現するための権利条例(子どもの権利条例)」の取り組みについて、条例制定までの議会での経緯の報告があった。
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