鳩山由紀夫総理大臣(代表)は27日夕、首相官邸で記者団に対し、同日、外国為替市場の円相場が一時1ドル=84円台後半まで急騰したことを受け、「為替は安定的に推移することが望ましく、急激な変動が望ましいとは思えない」とコメント。「大事なことは、円高によって輸出産業が相当な打撃を受けることが予測され、それに対し補正予算を含め経済対策を検討する必要がある」と述べた。財政が厳しい状況であるが、国民の皆さんは無尽蔵な国債発行、子どもたちの世代に借金を積み上げることに対し抵抗感があることにも理解を示し、そのことを理解しながらできるだけ効果的な円高対策をしなければならないと主張、「基本的には筋肉質の日本経済に変えて行くことが必要」だと指摘した。
さらに、菅直人副総理・国家戦略担当大臣に「新しい雇用を、新しい産業を興すことによって積極的に行い、国民の皆さんに理解、期待されるような対策を打ち出したい」と指示したことに言及、特に、住宅を含め環境などの側面を重視した対策を強化する必要があるとの認識を示した。
9日間に及んだ行政刷新会議ワーキンググループの「仕分け」作業が終了し、鳩山総理は「大変馬力をかけてやっていただいた。国民の皆さんが非常に関心を持ってくださったことは未だかつてなかったこと。予算が見える形になったこと、国民も皆さんが注視するなか行われたことは評価できる」と所感を述べた。
1兆7000億円と言われる削減額については、「数字より中身の問題」だと強調。この結果を重く受け止めながら、30日に開かれる行政刷新会議で議論するとして、「この国のかたちを刷新していく中でなにが重要か、今後政治判断が求められることもあり、この国の貴重な財産を出し切るような予算をつくりあげていきたい」と語った。
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