民主党と政府がそれぞれ提案している「交通のバリアフリー法案」についての質疑が29日の衆院運輸委員会で行われた。民主党の今田保典・石毛えい子両議員が発言に立った。
今田議員は、「政府案では民主党案と違い、整備対象となる公共交通機関からタクシーが除外されているが、これでは意味がない。車いす用のタイプも発売されており、タクシーも含まれるべきだ」と主張。だが運輸省の羽生運輸政策局長は「政府案は大量輸送交通機関を対象としており、タクシーはそれに当たらない」と答えた。
さらに石毛議員が、「毎週、東京・多摩地域で障害者とともに駅や公共施設などの状況をチェックしているが、バリアフリーの指針・計画だけでなく、実際の施行段階でも障害者の参加の必要性を痛感する。政府案でも明記すべきだ」と指摘。
これに対し、民主党案の答弁者である金田誠一議員は「障害者の全面参加は同感で、民主党案には明記されている。米国やスウェーデンでも法律で義務化されており、当事者の意見を聞くことが不可欠だ」と答弁した。
だが二階運輸相は「バリアフリーの構想については情報公開を怠らず、関係者の意見を聞きたい」としながらも、明文化については返答を避けた。
|