菅直人副総理・国家戦略担当・内閣府特命担当大臣は1日午前、閣議後の記者会見で、新たな経済対策(関連補正予算)について閣議で了承を得たと報告。従来からのデフレ状況に加え、ドバイ発の経済危機が重なっての急激な円高や株安という厳しい状況に対し、経済対策を強化すべきとの鳩山由紀夫総理大臣(代表)の指示に基づき取りまとめたものだと説明した。新たな経済対策は、(1)現下の経済状況の変化に適切に対応できる第2次補正予算を編成する(2)新たな需要創出に向け、制度・規制など「ルールの変更」に積極的に取り組む(3)こうした政府の取り組みと整合的になるよう、日本銀行に対し、金融面から経済を下支えするように期待する――の3項目。
次に、昨日開かれた行政刷新会議に関し、「事業仕分けという公の場で予算の具体的中身について検討することは画期的なことだと思う。事業仕分けで出された意見を十分尊重し、来年度の予算編成に活かしていく」と述べた。そのうえで、今回はある程度選択されたものの事業仕分けであったが、今後は対象を拡げていく考えを明示。さらに、制度や組織の問題は予算の対応ではできないとして、予算の背後にある制度や組織が意味のあるものか、税金をピンハネするものでないか等を厳しく点検、洗い出していくことが今後の課題だとした。
菅副総理は、同日の報道にあった民間の整備工場で車検を受ける際に必要な用紙をめぐり、用紙を印刷する天下り団体が自らの利益を上乗せして流通させていた事実にもふれ、「税金のムダ遣いでもあり、国民からいらない負担を召し上げることが隠されている」として、このような実態に踏み込むことが今後の課題であることを前日の会議および同日の閣議でも確認したと語った。
また、次世代スーパーコンピューターに関しては、事業仕分けの会議自体においても「総合科学技術会議で再検討すべき」との意見があったと指摘。「総合科学技術会議、(予算要求した)文部科学省と財務省の間で必要であれば更なる議論をすることになると理解している。どうしても政治判断が必要なことがあれば3党の閣僚委員会などで判断することになるかもしれない。最終的には国民の皆さんにきちんと説明できるかたちにしたい」と述べた。
これに関連し、総合科学技術会議自体についても「もっと機能できるものに変えていくべき」との指摘もあったとして、科学技術への関心が高まっていることも踏まえ、結論が出た後には会議のあり方についても本格的な議論を始めたいとの意向を示した。
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