政府が提出した高度情報通信ネットワーク社会形成基本法案(IT基本法案)の趣旨説明に対する代表質問が24日、衆議院本会議で行われ、民主党・無所属クラブから伊藤忠治議員が質問に立った。
伊藤議員は、「ITはあくまでも手段であり目的ではない。21世紀に向けてどのような国家、社会をつくっていくのか。基本法案にはIT革命を推進する哲学、理念、国家戦略が不明確だ」と政府案を批判。民主党が今年3月にまとめたIT革命の4つの基本理念を紹介し、法案に民主党の主張を取り入れるよう提案した。また、「政府の姿勢には産業優先、強者の論理が全面に出ている」と指摘し、IT革命の陰の部分についての問題意識を法律にしっかり織り込むべきと主張した。
また、伊藤議員は自民党との密接な関係が明らかになったKSD問題に言及し、「村上正邦参院議員が集めたと言われる自民党員のKSDによる党費肩がわりの事実関係、KSDから自民党または自民党議員に流れた資金が他にもあるのではないか」として、調査し事実を公表するよう求めたのに対し、森首相は「私の立場として改めて調査をする必要はないと考えている」と答弁した。
さらに、伊藤議員は中川秀直官房長官に対し、「重大な疑惑が連日のように報道されている。官房長官の名誉に関わることなので、看過できずあえて質問する」と前置きし、「(写真週刊誌で報道された)中川氏の愛人が妊娠中絶する際の同意書に中川一郎の署名をし押印した事実はあるのか。報道が事実なら私文書偽造、同行使罪が成立する」と迫った。また、右翼団体・日本青年社の副会長との交友について、9月28日の予算委員会での石井一党副代表の質問に対する答弁や、小川敏夫参院議員の質問主意書に対する回答で否定したにもかかわらず、写真週刊誌でその人物との会食写真が公表されたことを指摘。「答弁や答弁書は虚偽だったのか」と追及した。
これに答えて中川長官は、「報道されている過去の女性との交際はコメントを差し控えたい」「虚偽の署名をし押印したとの指摘は事実無根、何らかの措置を考えたい」「写真の人物とは面識がなく、いくら記憶をたどっても記憶がない。何からの会合でたまたま知らずに同席したことがあったのかも知れない」などと、あくまでも虚偽の答弁ではないと主張した。
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