菅直人副総理・国家戦略担当・内閣府特命担当大臣は8日午前、官邸内で記者会見を行い、同日開催された閣議で2009年度第2次補正予算案に盛り込む「明日の安心と成長のための緊急経済対策」(下記ダウンロード参照)を決定したと報告。「紆余曲折はあったが内容的にも雇用、環境、景気を軸にした経済対策になったと考えている」と語った。
同対策は事業費24.4兆円、国費7.2兆円規模とし、(1)雇用(2)環境(3)景気(4)生活の安心確保(5)地方支援(6)国民潜在力の発揮――の6分野で構成。特に「雇用」「環境」「景気」については3本柱として重視し、生活の安心確保や地方支援などにも強力に取り組む。
政権・与党内での調整に難航したのではないかとの記者の指摘には、閣議に先立ち開かれた基本政策閣僚委員会において、3党連立政権であると同時に鳩山政権であるとして、連立政権としてそれぞれの党が重視していることを認め合う一方で、政権全体の責任を担わなければいけないと主張、亀井郵政改革・金融担当大臣も「総理の言うことに従う」と応じたと明かし、今後の政権運営への影響を否定した。
来年度の予算編成の方針については、政権発足が9月半ばであったためタイトなスケジュールではあるが年内に編成する方針で進めていると話し、各党に理解、協力を求めたと説明。現在、国家戦略室である程度のまとめをし、関係大臣、副大臣と調整中であり、できれば今週中にメドをつけたいとの意向を述べた。
予算折衝に関しては、「(マニフェストで掲げた)7.1兆円の財源を生み出すことになっており、閣僚はもとより民主党に属する仲間はそれを含めたマニフェスト実現のための責任を負わなければならない。つまりは自分の担当の政策実現のみならず、その財源についても責任を共有してもらいたい」と求めたとして、今後一定の結論が出た段階では情報公開も行っていく考えを示した。
菅副総理大臣はまた、「1兆円の予算で1兆円の効果しかないものではなく、1000億円でも1、2兆円の効果に繋がるような知恵を出してほしい」と要請してきたと改めて述べ、エコ住宅などレバレッジ要素のあるものを工夫したことにより、24.4兆円という規模にすることができたと強調。財政のみの大きさでなく、小さい財政でもより大きな経済効果のあるものを重点的に盛り込んだと意義を説いた。
菅副総理大臣の会見に続き、古川元久国家戦略担当副大臣が「明日の安心と成長のための緊急経済対策」の骨子(下記ダウンロード参照)を具体的に説明。今回、予算措置のみならず制度の機能強化、見直しによって実現できるものも多数盛り込み、雇用、環境を中心に国民潜在力を生かすことがその特徴だとした。
また、各施策についてはPDCAサイクル(PLAN−DO−CHECH−ACT CYCLE)に立脚した進捗管理を徹底し、プラン立案後は役所に任せてきた従来とは違い、しっかりチェックし必要に応じて軌道修正するなどフォローしていくと語った。
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