菅直人副総理・国家戦略担当・内閣府特命担当大臣は15日午前、官邸内で記者会見を行い、来年度予算編成の基本方針を閣議決定したと報告。基本方針には、国債発行額を「約44兆円以内に抑えるものとする」と同時に、特別会計について聖域なき見直しを断行した上で税外収入を確保し、これを最大限利用した予算編成にする」と明記したと述べ、先に歳出ありきで、足らざるを国債で埋めるというこれまでの予算編成の在り方から脱却すると強調した。
また、同日、第1回目の成長戦略策定会議を開いたと報告し、鳩山由紀夫総理大臣(代表)から年内に骨子をまとめるよう指示があった策定については、関係閣僚が就任以来それぞれ積極的に行ってきた意見聴取などを踏まえるとし、相当程度の蓄積をこの2週間で一挙にまとめたいと表明。今後は省庁の中での検討を超えて外部で議論を行い、民主党に近い関係者のみならず立場の違う方々からも幅広く広く意見を聴きながら参考にしていく方針を示し、明日16日には竹中平蔵氏を招く予定を明かした。
菅副総理は、この10年間程度の間に出されている政府の成長戦略16本を含め、これまでのものを検証せずして新たのものをつくっても有効なものにはならないと指摘。強いて言えば何が間違っていたのかをしっかり示すことが必要であるとして、自身の考えにおいては(1)1980年以降の公共事業がは所得の再分配にはなったが投資効果はほとんどなかった、(2)小泉・竹中構造改革は一つの会社をリストラによって立て直すことはできても、日本国を立て直すことはできなかったと分析し、「第一の道と第二の道は間違っていた。第三の道に則り成長戦略を描いていく」とした。
次に、米国の経済学者ポール・サミュエルソン氏の訃報に際し、「直接に面識はないが」と前置きしたうえで、若い頃に熱力学理論を学んできた自身との共通点にも触れ、科学技術を学んだ方がその後に経済学を学ばれたことの意義を強調。「理系的な感覚で理解できるものはそれなりに説得力がある」と自身の見解を述べるとともに、「経済に対して政府の関与と自由経済、市場原理を両立させる考え、スタンスは今後の経済運営に参考になると改めて思った」と語った。
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