衆議院予算委員会が21日午前開かれ、鳩山由紀夫総理(代表)はじめ全閣僚が出席して、7兆2000億円の経済対策を盛り込んだ平成21年度第2次補正予算の基礎的質疑が行われ、民主党のトップバッターとして松原仁議員が質問に立ち、関係大臣に質した。
松原議員はまず、「国民の皆さんが最も期待しているのは、この補正予算を緊急に仕上げ、日本の経済悪化のなかで逡巡(しゅんじゅん)している人を助けてほしい、国民の生活を良くしてほしいという」ことだとの認識を示し、補正予算の仕上がりが一日遅れれば経済が一日悪化し、苦しむ国民がさらに増えると指摘。「そういう思いを共有してほしい」と総理に求めた。
鳩山総理は「仕事がなくて苦しんでおられる方々の問題を解決するためにも、2次補正予算はしっかりと仕上げたので、早く皆様方に結論を見出していただいて成立をお願いしたい」と強調。そのうえで中小企業対策について特にふれ、「信用保証協会を通じて今まで以上に融資を十分にできるようにするしくみをつくり、あるいは雇用調整助成金が幅広く対象とするよう」適用範囲と予算額を拡充したと答弁。「働いておられる方々の明日のためにも2補正予算を一刻も早く成立させるためにご協力を」と語った。
松原議員は続いて菅直人副総理・経済財政担当大臣に第2次補正予算による成長率の押し上げ効果について質問。菅大臣は、「まず、『明日の安心と成長のための緊急経済対策』は歳出規模では7.2兆円になっているが事業規模では24兆円となっている。そのなかで今後1年間の実質GDPが0.7%程度押し上げられると見込んでいる」とした。
そうした答弁を受けて松原議員は同緊急経済対策の3本柱である「雇用」「環境」「景気」について所管大臣から質問。長妻昭厚生労働大臣に対してまず拡充・要件緩和した雇用調整助成金に関して詳しい説明を求めた。
長妻厚労大臣は「休業等の方々に対して一定等の賃金見合いを国が保障するというもの」と改めて述べたうえで、昨年の11月の対象労働者は186万人で、昨年12月の要件緩和によって16万人、平成22年度は80万人の方が対象となると回答。「要件を緩和したことで16万人プラス80万人が支えの対象となる」とした。松原議員は「これを第一歩として行い、これ以上失業者を増やさない、働く意思のある人が働き続けられる取り組みを」と強く求めたうえで、地方自治体における雇用創出への取り組みと新卒者支援等についても質問した。
長妻議員は、「第2次補正にも盛り込んだ新事業として重点分野雇用創造事業がある」と述べ、成長が見込まれる「介護・医療」「農林業」「環境エネルギー」「観光」「地域社会」「雇用」の6分野に特化して地方自治体等が必要な仕事を企業やNPOに発注する雇用創出支援の予算を準備したと説明した。また、企業内研修期間も一定賃金を国が補償することで企業が躊躇することなく即戦力でない人材の雇用につなげるための取り組み、体験雇用事業やハローワークでの新卒者だけを対象にしたサポート体制の拡充など、新卒者への雇用支援策も行っていくとした。
松原議員は「高卒の就職に関しても極めて厳しい状況にある」として、高卒者の就職支援体制も整えるよう要請した。
松原議員は続いてエコ家電、エコカー、エコ住宅などを対象としたエコポイント制度と経済効果等に関して質し、直嶋正行経済産業大臣は「エコカー補助金、エコポイント制度ともに国内需要をささえ、雇用を下支えするという意味で景気対策として大きな効果をあげていると思っている」として、現下の厳しい雇用情勢と景気の先行きリスクが大きいなか、両制度ともに延長することにしたと明かした。
松原議員はまた、環境に配慮した東京の都市戦略の重要性について取り上げ、前原誠司国土交通大臣に対し、エコリフォームは「景気対策と同時にCO2削減を前倒しでやっていくうえで大きな意味がある」として、ビルの改修だけでCO2の激減に繋がると指摘。「魅力ある日本をつくるために魅力ある東京を再生させなければならない」と述べて、エコに配慮し、躍動的で若々しい都市として東京を生まれ変わらせることで注目が集り世界企業の拠点となり、日本経済を高めることに繋がると指摘。東京の都市としての競争力向上につとめるよう、前原国交大臣らに問題提起した。
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