報告書を渡し、ハイチの現状を総理に報告する藤田、首藤両議員。面談には中山義活内閣総理補佐官も同席
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民主党ハイチ大地震支援・調査団の藤田幸久参議院議員(調査団団長・国際局長)と首藤信彦衆議院議員は25日午後、官邸を訪れ、鳩山由紀夫総理大臣(代表)に対して、大地震後のハイチの現状を報告するとともに、視察・調査によって見えてきた日本の支援のあり方等について問題提起した。
同調査団は18日夜成田空港を出発し、20日ハイチの首都ポルトープランス入りし、プレバル大統領らと面談するなどして2日間現地に滞在し、24日に帰国した。
鳩山総理との面談で藤田議員はまず、プレバル大統領に対し、大地震被害者に対する鳩山総理からのお悔やみのメッセージ及び日本政府の支援内容を伝え、大統領からは感謝の意が示されたことを報告。また、大統領から本日25日にモントリオールで行われる支援国会議において、ハイチにとって必要な支援の内容が特定されることへの期待感が示されるとともに、「日本からの支援に感謝したい」との言葉があったことを総理に伝えた。
また、地震発生後の各国の支援の動きと報道のあり方について藤田議員は、「米国からはクリントン国務長官、クリントン元大統領が、そして国連の潘基文国連事務総長も地震発生後にすぐ現地入りし、BBCを見てもCNNを見ても中国公営放送を見ても、24時間ハイチのことを報道している」と報告。藤田議員はさらに、「15万人の死体が確認されたということは、地震だけの被害とすれば世界最大といえる」として、日本としても援助外交、拡大支援外交を拡大してほしいと求めた。それに対して鳩山総理も友愛外交の柱として一層力を入れて支援を展開していきたいとの見解を示し、機会を改めて更に詳しく報告に来るようにとの要請があった。
藤田議員らは「日本は地理的に遠かった」とされているが中国レスキュー隊の到着は第4位で、米国は病院船まで送っていることにも言及。日本としても常時体制を整えておく必要性を指摘。「緊急支援、復興支援、開発支援と段階的に非常に重要な支援の場所になり得る」との問題提起に対して総理は、「米国や国連との関係においても、重要な支援になる」との見解が示され、特に、米国の病院船に関しては自らが提唱している「友愛ボート」に匹敵するとのコメントがあり、国としての体制強化の必要性に言及した。
また、地震発生後72時間の救出が生死の分かれ目となるとされるレスキュー隊の派遣の在り方についても藤田議員らは問題提起し、送り方の基準に関するマニアル作成の必要性を指摘すると、総理からは緊急援助隊の中身について検討したいとの見解が示された。同時に本国へ情報等を発信する立場にある外交官8名自身も被災している点を踏まえ、在外公館のあり方、バックアップ体制の必要性についても藤田議員は問題提起した。
さらに、藤田議員は国連PKOの派遣先としては比較的安全な地域であると報告し、日本がある意味で比較的出しやすい環境にあるとの認識を総理に伝えた。
なお、藤田、首藤両議員は総理からの要請を踏まえ、さらに詳しい報告と意見交換を近日中に行う予定。
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