29日午後、都内にて、新しい公共をつくる市民キャビネット設立協議会が開催された。
会を代表して古賀伸明・NPO事業サポートセンター代表理事(連合会長)が挨拶した。古賀代表理事は、「政権交代は、新しい政治の幕が上がったと同時に新しい社会づくりがスタートしたと位置づけられる。市民、住民、NPOの側も市民団体やNPO団体の声を集約する市民キャビネットが必要ではないか」との思いから、市民キャビネットの立ち上げに至ったことを紹介した。
その上で、政府、民主党は、市民キャビネットとの対話、各部会と政府・民主党との関連部会との定期的な協議の実施をお願いしたいとし、「一緒に力をあわせ、市民の側、住民の側、生活者の側に立った新しい日本の社会づくりに協力し合って、立ち上がっていこう」と参加者に呼びかけた。
民主党からは、前田武志・常任幹事会議長と谷博之・党企業団体対策委員会委員長代理(NPO担当)が挨拶に立った。
前田常任幹事会議長は、民主党が誕生したときの原点が、市民とパートナーシップを組み、民主党という政党をしっかり根付かせていくという大きな柱を立てていたことを紹介し、「政権交代が起きて、このような動きが出てきたというのが、市民キャビネットの極めて大きな成果である。政府のキャビネット、市民のキャビネット。それをつなぐのが、私ども民主党、政党の役割だ」と今後の連携を強めていくことを示した。
谷委員長代理は、「昨年7月、衆議院選挙の前に、我々が政権をとったら、皆様方と連携をとることを約束をした。これを実行するために、昨日、党としてのNPOの皆様方と連携をとっていくためのプラットフォームを立ち上げた」ことを報告した。
そのうえで、民主党が政権を担うことになり、一番力を入れていかなければならないのがNPOや市民団体の方々との連携を強めていくことであるとし、「対等な関係で、一歩一歩活動していき、それが次の活動につながっていくようにしたい」と決意を示した。
政府を代表して鈴木寛・文部科学副大臣が挨拶に立ち、「新しい公共をつくる市民キャビネットができ、ありがたいと思っている。新しい公共をつくるうえでは、官の下請けとしてのNPO、NGOからの脱却というコンセプトからつくっていかなければならない」としたうえで、「初めは試行錯誤ではあるが、半歩先のモデルケースを作っていくことで、これが新しい公共。これが市民キャビネットと中央政府のコラボレーションのあり方というものを私も一歩一歩やっていきたい」と文部科学部門の政策分野において、早速、ソーシャルイノベーションを起こしていくことを宣言した。
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