トップ > ニュース
ニュース
ニュース
2000/10/26
証拠の会話テープで、辞任に追い込む〜仙谷、長妻両議員が中川長官を追及
記事を印刷する

26日の衆院内閣委員会で、民主党の仙谷由人、長妻昭衆院議員が質問に立ち、中川秀直官房長官をめぐる疑惑を直接本人にただした。この追及と、中川長官の会話テープがこの日夜テレビ各社で報道されたことが、辞任の引き金になった。

 最初に質問した仙谷議員は「官房長官は全世界へ向けて情報を発信するスポークスマン。そのスポークスマンが、与党内からもさえ"うそつき三羽がらす"などといわれ、疑念を持たれたままだと、日本からの発信情報は信用力をなくす」と指摘。

 その上で、まず、中川長官に平成8年10月14日に送り届けられたとされる内容証明郵便の問題を取り上げ、右翼団体幹部との交際疑惑について質問。それに対し中川長官は、「私も相当に若いころの話。大勢で会食したなかに、その滑川さんなる人物もいたのかもしれないが、記憶にない。内容証明の内容も事実無根」と答弁した。

 仙谷議員は「普通の人なら、写真を見たりする中で、だんだんと記憶が甦ってくるもの」とたたみかけたが、中川長官は「知らない、甦らない。会った方を全部覚えているのはむずかしい。こういうお顔の方だと鮮明な写真をご提示くださらないと、甦らない」と突っぱねた。

 また、「選挙も票の買収までして協力したと内容証明郵便にはあるが、事実か」と仙谷議員が続けても、「根拠を示せ、事実無根」と繰り返すだけだった。

 弁護士でもある仙谷議員は「私の経験からすれば、弁護士や警察などしかるべき専門家に相談し、しかるべき解決法をとるのがのぞましいはず。常識的に納得できない」と、官房長官の答弁のあいまいさを指摘した。さらに「事実の存否を取り上げて議論したいわけではない。記者会見、国会答弁において“事実ではない”とコメントしておきながら、次々に新事実があらわれる。虚偽答弁によって、官房長官の発言の信用力が毀損することを危惧しているのだ」と言葉を強めた。

 続けて質問に立った長妻昭議員は、「覚醒剤取り締まりの警察の捜査が入るという情報を交際のあった女性に流したか?」と、警察の捜査情報をろう洩したとされる報道の真偽を訪ねたが、中川長官は「きちんと裏付けを取っているのか」「こんなことを国会の場でコメントするのは遺憾」と述べ、正面から答えようとはしなかった。そこで、長妻議員は、95年に録音したとされる中川長官と女性との会話テープの内容を読み上げ、「委員会へテープを出せるようお取りはからい願いたい」と委員長に申し入れた。

 また、写真週刊誌で交際があったとされている女性が中川長官の自宅の寝室で撮ったという写真が公開されていることについて、中川長官は「運転手が女性に頼まれて自宅に案内した。写真は誰が撮ったかはわからないが、私ではない」と釈明した。

 長妻議員は「官房長官自身、テープをいずれ聞くことになる。ちがう、ちがうだけでなく、具体的な説明をして、出処進退を明らかにしてもらいたい」とし、質問をしめくくった。

 中川長官は27日の辞任表明後の記者会見で、「(電話した)女性にうわさがあり、注意しなければならないと思い、(警察の)名前を出して注意した」と述べ、このテープの声の主が自分だったことを認めた。

記事を印刷する
▲このページのトップへ
Copyright(C)2024 The Democratic Party of Japan. All Rights reserved.