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2010/02/03
【参院本会議】取調べの全面可視化の実現の重要性指摘 松岡議員
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 参議院本会議で3日午後、民主党・新緑風会・国民新・日本の松岡徹議員が平成22年度予算について代表質問に立ち、「取調べの全面可視化の実現」「事業仕分け」「雇用対策の促進」「ホームレス問題」「貧困問題」「人権侵害救済法の制定」「人権の法制度の体系的な整備」などに関して、鳩山由紀夫総理(代表)はじめ関係大臣に質した。

 松岡議員はまず、民主党中心の連立政権が誕生した結果、「日本の政治を取り巻く状況が劇的に変化したことを国民の皆さまと心から喜びたい」と表明。自公連立政権時代、市場原理主義の経済政策の下で増大した貧困と格差にストップをかけ、「希望を持てる社会にしてほしい」という国民の熱い期待が民主党政権実現への原動力となったとの見方を示した。

 そのうえで松岡議員は、取り調べの全面可視化の実現について取り上げ、「民主党の可視化への取組みは今に始まったことではない」として、2003年7月の参議院法務委員会の付帯決議を踏まえ、04年に取り調べの全面可視化の条項を追加した刑事訴訟法改正案を議員立法で提出して以来、衆参両院に5回提出、参議院では2回可決されたと説明した。

 あわせて、松岡議員は裁判員制度のスタートをふまえた条件整備として全面可視化の必要性を指摘するとともに、鹿児島の志布志事件、富山の氷見事件、栃木の足利事件など繰り返される冤罪の歴史を振り返り、冤罪が生まれる原因を「捜査段階における密室での自白強要及び裁判における調書主義にある」とし、法の成立への意気込み等を質した。

 鳩山総理は松岡議員が長い間、人権問題に携わってきたことに敬意を表したうえで、「過去にいくつかの事案で無実の方が有罪判決を受けたという事態はまことに遺憾。長い年月をかけて最終的に無実が証明されても長い年月が戻ってくるわけではない。このようなことがなくなるような世の中にしなければならない」と強調。取り調べの全面可視化の実現にむけて、現在、法務省などで検討を進めているとし、「結論を出していく」とした。千葉景子法務大臣も「精力的に論議検討を進めているので応援を」と求めた。

 松岡議員は次に、事業仕分けについて「行政刷新会議が主導して、ムダな予算の洗い流しを目指し、民間の識者も加えて、公共の場で徹底してムダな予算にメスが入れた」と分析し、削減額は当初見込みより下回ったが約1兆円に及んだと説明した。
松岡議員が事業仕分けについて質したのに対して鳩山総理は「非常に有意義だったと思っている」と述べ、予算は自分たちの知らないところできあがっていくものと思っていた「国民の皆さんの目に留まるような形にしただけでも新政権の大きな意義があった」とした。また、「第二弾、第三弾の事業仕分けを国民の視点に立って行っていく」と表明した。

 仙谷由人国家戦略・行政刷新担当大臣は、「民間の第一線の専門家の参加をいただいて、事業仕分けという、公開の場であの作業を行うことによって予算執行の実態、予算執行の効率性などを国民の皆さんの前に明らかにすることができた。ひいては従来型の予算編成を、国民の主体的な参加と監視のもとで行うものに抜本的に変更することができたと考えている」と答弁。今後、独立行政法人や公益法人が行う事業、あるいは特別会計などについても事業仕分け第二弾を実施したいとの意向を示した。

 松岡議員は続いて、雇用対策促進の重要性を指摘し、「本年度第2次補正予算では雇用対策のために6140億円の予算が組まれた。また来年度予算では雇用保険の適用基準を緩和する措置をとり、雇用のセーフティネット機能を強化した。また、雇用や中小企業対策等に使える予備費を特別枠として1兆円確保し、さらに研究開発や人材育成に中小企業を支援する制度を創設する等の政策を打ち出した」として、「雇用は国民が所得を得ると同時に、自己を実現するための重要な手段」との見解を示し、本年度予算の雇用対策を長妻昭厚生労働大臣に質問した。

 長妻大臣は「平成21年度第2次補正予算に引き続き、平成22年度予算でも各種の雇用対策を盛り込んでいる」として、主な取り組みを列挙。(1)休業者の休業手当等の一部を補助する雇用調整助成金の要件緩和によって支給対象外を約80万人増やし、全体で200万人超の休業手当を補助する、(2)成長が見込まれる介護・福祉・医療・情報通信等の分野の就業促進のための職業訓練を充実させ、緊急育成支援事業を含め平成22年度は計30万人超の訓練定員を確保して雇用創出につなげる、(3)就労するには住まいの安定が不可欠との観点から全国の主要なハローワークに住居・生活支援アドバイザーを配置して総合相談と実施機関への的確な誘導を行う、住宅手当の支給期間を従来の6カ月から9カ月に延期して実施する、(4)新卒者に対し、企業や学校を訪問して新卒者の就職を支援する就職JOBサポーターを倍増してハローワークに配備する、また新卒者雇用促進にむけて未就職卒業者の体験雇用を受け入れる事業主に対して新卒者体験雇用奨励金を支給する、(5)非正規雇用者のセーフティネット強化にむけ、雇用保険の適用範囲を雇用見込み6カ月以上から31日以上に拡大することで新たに255万人が雇用保険対象者となる――等を長妻大臣は説明。「鳩山内閣が目指す『人間のための経済』においては、国民が安心して働き、能力を発揮できる雇用の場を得られることが何よりも重要。切れ目のない支援を行うためにも本予算の速やかな成立をお願いする」と求めた。

 松岡議員はさらに、日本国内において深刻な人権問題が数多く発生し、人権を侵害された弱い立場の人は泣き寝入りを強いられる事態となっていることを指摘し、人権政策を具体的に確立・実施していくことが必要だとして、人権救済機関の設置は「いのちを守る」鳩山政権としての喫緊の課題だと総理に要請。総理も共感し、前向きに取り組む意向を表明した。

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