政府は5日、国会内で第7回目の自殺総合対策会議を開き、年間自殺者数が12年連続で3万人を超えるといった自殺をめぐる深刻な実態を踏まえ、自殺対策の強化に向けて協議。「命を守る自殺対策緊急プラン」をとりまとめた。
同プランは、年間で最も自殺者が多い3月を対策強化月間と定め、啓発キャンペーンに力を入れるというもの。ハローワークや商工会議所で、心の健康や債務に関する相談を実施するほか、地方自治体の自殺対策担当者を集めた会議を今月中に開き、自殺防止策についての情報共有を徹底する。
冒頭挨拶に立った平野官房長官(自殺総合対策会議会長)は、「自殺対策においては自殺対策基本法や自殺総合対策大綱に基づき取り組んできたが、年間の自殺者が平成10年以降12年連続で3万人を超えるという憂慮すべき事態。鳩山政権では『人のいのちを守る政治』を理念とし、こうした事態を何としても改善すべく実効性のある政策を展開し、具体的な成果を上げていく必要がある」と表明した。
政権発足以来、福島内閣府特命担当大臣(自殺担当)のもと自殺対策緊急戦略チームを設置、昨年11月に「自殺対策100日プラン」を策定し、年末、年度末に向けて施策の拡充策を提言するなど精力的な取り組みを行っていることにも言及し、本日の会議ではこれを基に「いのちを守る自殺対策緊急プラン」をとりまとめる考えを示すとともに、参加した各大臣らに対し「具体的な成果を上げられるよう、施策の着実な実施に向けてご尽力を」と呼びかけた。
|