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2002/05/10
【衆院本会議】金子議員、温室効果ガス削減目標達成の展望質す
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 10日、衆議院本会議で地球温暖化防止の京都議定書締結承認をめぐる審議が行われ、民主党の金子善次郎議員が質問に立った。

 金子議員は京都議定書に対する質問に先立ち、8日午後、中国・瀋陽の日本総領事館で起きた中国武装警察侵入事件について、外務省の日ごろからの主権意識、人権感覚のなさを浮き彫りにした事件だと厳しく批判した上で、外務省の毅然とした対応を強く求めた。

 金子議員はまず、発展途上国問題への政府の取組みについて質問。京都議定書では発展途上国には温室効果ガスの削減義務が課せられていないが、第1約束期間内の2010年には先進国を上回るとの予測がある点を明示し、当面は中国やインドなどの排出抑制を図るとともに、将来的にはすべての国が参加する共通のルールを構築するよう国際的な議論を喚起していくことが必要だと問題提起した。川口外相は「すべての国が削減をめざす共通ルールの構築にむけ、日本政府として最大限の努力をする」とした。

 次に、米国の京都議定書からの離脱宣言をめぐり、「世界最大の温室効果ガスの排出国であるアメリカの参加なくして、京都議定書の実効性を確保することはできない」との見方を示した。同時に、経済のグローバル化のなかでは共通のルール下で競争が行われるべきだとし、政府は国内産業の国際的な競争条件の公平性を確保する観点からも、米国に復帰を促す努力が必要だとした。平沼経済産業相は「幅広い機会で粘り強く訴えている」と答えた。

 また、金子議員は「省エネルギーの徹底によるエネルギー需要の抑制や風力・太陽熱・バイオマスなどの再生可能エネルギーの供給化率を高める努力が必要である」との見方を示し、温室効果ガス削減のエネルギー政策について質問。平沼経産相は「需要面において省エネルギーを推進し、供給面においては原子力や新エネルギーの導入・促進を進めるとともに、より環境負荷の少ない燃料への転換を促進し、環境調和型のエネルギー需給構造の実現をめざしている」などとした。

 さらに金子議員は「地球温暖化への対応が新たな環境関連産業を生み出し、それによって持続的発展が可能な社会を構築する絶好の機会だとプラス志向で考え、行動すべき」とし、政府による研究・開発に対する積極的な助成や、エネルギーの需要抑制、省エネルギー・再生可能エネルギーの普及促進のための効果的な税制措置の必要性などを提起した。

 最後に金子議員は「京都議定書の削減目標を達成するのは非常に厳しい」との見方を示し、これらの困難を打破し、目標を達成するためにも、子どもだけでなく、あらゆる世代へのライフステージに対応したきめ細かな環境教育が必要である点を指摘した。

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