衆院本会議で平成22年度の予算に関する歳入法案(公債発行特例法案、所得税法等改正法案)と、民主党が掲げていた租税特別措置適用状況透明化等法案が16日午後議題となり、菅直人財務大臣が趣旨説明に立った。
菅財務大臣は、このなかで、徹底した歳入の見直しを行い、税外収入で10兆6000億円を外国為替資金特別会計等から捻出したことを強調した。また、租税特別措置適用状況透明化法案によって、各種特別措置が本当に必要なものかどうか、適切かどうかを判断するために毎会計年度、財務大臣が国会に状況を報告すること、適用を受けた企業等が適用額の明細書を添付して実態を調査することにより、透明化を図るとした。
この趣旨説明に対し、民主党・無所属クラブから福嶋健一郎議員が質問に立ち、まず、昨年の政権交代の意義に触れ、国民の期待に応えるために「私たちには来年度予算を滞りなく成立させ、国民の皆さんの生活を守り、『いのちを守る』責任がある」とした。
そのうえで、鳩山由紀夫総理(代表)に、子ども手当の発言について説明を求めた。鳩山総理は、子ども手当の財源が借金であっては結局子ども世代に負担をかけることになるとの話を若いお母さんから聞き、そうなってはならない、徹底して歳出削減を行い、財源を確保し、23年度は全額支給(月2万6000円)できるようにすると言ったものと説明した。
また、福嶋議員は、菅財務大臣に、消費税率の議論を開始することの意味を質した。菅財務大臣は、消費税率については、3党間に合意、民主党のマニフェスト通り、「国民に約束したことは守る」として、4年間は据え置くとした。議論については、昨年末の税制大綱でも、社会保障に議論と合わせ行うとなっていると説明した。
最後に福嶋議員は、総理に不退転の決意の表明を求めた。鳩山総理は、「かつてこれほどのメリハリのついた予算がつくられたことはなかった。公共事業を18%削減し、人への予算を格段に増やしてきた。メリハリのある予算によって人のいのちを守る社会にする」と答えた。
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