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2010/02/24
【衆院予算委】中央公聴会開く
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 衆院予算委員会で24日、一部の野党が欠席の中、中央公聴会が開かれた。

 午前の公述人に対する質疑の中で、緒方林太郎議員は、「今後の労働者派遣法改正のあり方について」と「子ども手当の意義」について、公述人に対し質疑を行った。

 今後の労働者派遣法改正のあり方について、「現代社会では、雇用の形態が多様化している。厳格すぎると雇用のミスマッチになる。制度設計については、慎重をきすべき」としたうえで、製造の現場での過度な派遣が続くと「技術の伝承がうまくいかなくなるのではないか」と問うた。

 公述人の日本労働組合総連合会の逢見直人副事務局長は「従来、製造業には、それぞれの技能レベルを持った方々が責任をもって生産ラインをもち、そこでは、技能の伝承があった。しかし、製造業に派遣を入れたことにより、技術の伝承が出来なくなり、現場力の低下が起こっている」と述べ、「日本の持っているものづくりの強さは現場力にある。その現場力で技能を伝承していくこときちんと行われていくような改正になって欲しい」とした。

 神戸大学大学院人間発達環境学研究科の二宮厚美教授は、「日本経済、製造業の基本は、技術だけではなく、技能の蓄積。とりわけ永い経験を通じた知的熟練を伴うようなスキル、クラフトが、様々な分野の産業をを支えてきた。これらが派遣労働を無原則に製造業の中に取り込んでいくと、壊れてしまう」とし、その意味で製造業への派遣は大きな問題であるとの意見を述べた。

 逢見公述人は、「子ども手当の導入は大きな意味がある。子どもを社会で育てるという政治的なメッセージを伝えた」とした上で、現在の様々な保育サービスが、それぞれ省庁縦割りになっており、切れ目が生じていることを指摘し、「切れ目のないサービスを作っていくために、子育て基金ということで財源を一つにし、その中で切れ目のないサービスを現金給付と現物給付のバランスを取りながら提供していくのが好ましい」とした。 

 午後の公述人に対する質疑の中で、中林美恵子議員は昨年の衆議院予算委員会の公聴会で自身が公述人席にいて意見陳述をしたことを紹介した上で、「日本の財政事情は昨年よりも厳しくなっているが、平成22年度予算では非常に大きな努力されたと思う」との述べ、公述人に見解を求めた。

 立命館大学国際関係学部の高橋伸彰教授は、「平成22年度の予算については、基本的に賛成。ただ、厳しい危機的な状況の中で組まれたもの」と評価し、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科の高橋紘士教授は、「是々非々。投資は様々な社会サービスに投資にすべきであって、子ども手当は、住宅手当にすべき」と全体的に否定的であるとした。日本金融財政研究所の菊地英博所長は、「自公政権のツケを払わされているが、民主党政権の予算は、いい予算である。自民党が欠席しているので、このことを申し上げることが出来なく残念。過去の政策で、財政を引き締めて、金融でやればいいというアメリカのマネタリストがあったのが良くなかった」と述べた。

 また、中林議員は、昨年12月30日に発表された「新・成長戦略」の中で、新しい公共に力を割いていることを指摘し、民間力をや人間の絆を高めながら新しい公共の実現していく上で、寄付税制を改革するということもあるが、どういうことが必要か」と高橋紘士公述人に問うたところ、高橋紘士公述人は「歴史的なことを考えれば、渋沢栄一のようにお金を持っている人たちが、寄付をする。自由なお金、“志金(しきん)”を流通させる機会を作って欲しい。」との見解を示した。
 
 新しい公共に関しては、高橋伸彰公述人が「成長は大変重要な課題である。しかし、成長を旧来の統計のGDPではかるのが適切かどうか。新成長戦略では、新しい指標を開発するとうたっているので、是非、それに取り組んでもらいたい。それが新しい公共につながる」と述べた。

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