櫻井充議員は4日午前、参院予算委員会で質問に立ち、潜在的成長分野である医療・介護などに財源を投入するとともに、この政権への地域の声を十分に受け止め、説明責任を果たし長期に政権を維持してこの国の形を変えるべきと主張した。
冒頭、櫻井議員はチリ大地震での日本の漁業被害について、国の十分な支援を求めた。
さらに、バンクーバーオリンピックでの日本選手の活躍にも触れながら、産業としてスポーツを位置付け、企業への優遇税制を含めて十分な支援策をとるべきではないかと質した。川端達夫文部科学大臣は、今年度予算で増額したことを説明、鳩山由紀夫総理(代表)も「できることを検討したい」と答えた。
次に中小企業対策に関して、中小企業担当大臣を設けるとなっていた方針に触れ、現状を質した。鳩山総理は、担当大臣を設けてはいないが、官邸の中に各省庁横断的な議論ができる場を設けたいと答えた。直嶋正行経済産業大臣も、連帯保証人制度を含め、中小企業が資金繰りなどに困らないようにしたいと答えた。
子育て支援策について、現金支給のみならず現物支給、例えば給食費の無料化、副教材費の改善、子育ての相談所の増設、勤務時間の短縮など、総合的なパッケージとして考えるべきではないかと質した。
これに対して、長妻昭厚生労働大臣は、子育てビジョンを作成したことを報告したうえで、23年度以降は制度設計を含めて検討していくと答えた。
また、少子化対策の一例として、子宮けい癌の予防接種への補助、心療内科医による悩みごとへの対処なども必要ではないか、また、地域によっては、学校の耐震化工事に財源を充てることも検討すべきではないかと提案した。
さらに、地域によっては、公共事業が地域経済、産業計画の重要な部分を占めていることがあるので、一律に凍結するのなら十分な説明が必要ではないかと質した。前原誠司国土交通大臣は、費用対効果が高いものであって新規事業をすべて凍結し、新たな事業評価基準を作成して23年度以降対応していくと答えた。そのうえで、港湾に関して、港湾法も改正し、民間の活力、資金を活用する方法もあるのではないか、そうでないと社会保障費、医療などに財源が回らず、持続可能な社会とならないとした。また、原口一博総務大臣は、地方との協議の場を設け、地方の声を受け止める場としたいと答えた。
また、櫻井議員は、自動車、電機、製薬産業の産業別納税額を挙げ、製薬産業の納税額が一番多くなったことを指摘し、今後の雇用の受け皿となり医療や介護などの分野に財源を充て、税収確保も図るべきではないかと質した。
菅直人副総理兼財務大臣は、基本的な考えは同じだとして、すべてを税で行うのか、保険、個人で賄うかは検討すべきだと答えた。
さらに、櫻井議員は、22年度の診療報酬改正で、医療崩壊と言われる現状に対して十分かどうかを質した。長妻大臣は、22年度は第1歩であり、さらに努力していきたいと答えた。
郵政改革にも触れ、国債管理面からも、地方に郵便局と農協しか金融機関がないところもある、銀行法の適用も含めて検討すべきだとした。
|