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2010/03/10
【参院本会議】鳩山政権が目指す国のあり方を問う 大久保議員
菅財務大臣が22年度予算の歳入関連法案の趣旨説明
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 大久保勉議員は10日午前、参議院本会議で民主党・新緑風会・国民新・日本を代表し、菅直人財務大臣が行った「平成22年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案」、「所得税法等の一部を改正する法律案」及び「租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案」の趣旨説明に対して質問した。

 大久保議員は税制全般について、「新しい国の政策、特に持続可能な社会保障政策のためにはそれに見合った財源の確保が必要」だとして、消費税議論を含んだ税制と鳩山政権が目指す国のあり方、基本的な関係について鳩山由紀夫総理の見解を質した。

 鳩山総理は、「厳しい財政状況を踏まえながら、支え合う社会の実現に向けて財源を確保し、経済・社会の構造の変化に適応した新しい税制を構築することが必要。その際にいかにして支えあうか、社会全体で分かち合うという基本的な視点が必要」だと主張。この方針の下、中長期的な財政健全化の道筋、社会保障制度改革など、政府全体の検討も踏まえながら税制の抜本的な改革を実現していくため幅広く検討していく考えを示した。

 次に、個別の項目として、法人税率、金融所得の課税、新年度の国債発行計画について質問。菅大臣は日本の法人税率について「東アジアなど諸外国に比べ高い水準にあるが法人所得課税の負担に社会保険料の事業主負担を合わせたかたちで計算すると、全体として必ずしも日本が突出しているわけでもない」と分析。

 平成22年度税制改正大綱において租税特別措置の抜本的な見直しなどを進めるとともに、これにより課税ベースが拡大した場合には成長戦略との整合性や企業の国際的な競争力の維持、向上などを緩和して法人税率を見直していく方針を示した。また、金融所得課税のあり方に関しては、閣議決定を踏まえながら問題点については税制調査会においてしっかり議論し方向性を出していくとした。

 大久保議員は、国債の残高が今月末で約600兆円に上る見込みであるのに加え、来年度の新規国債発行予定額44兆であると指摘。このような巨額な国債発行の原因について見解を質すと、鳩山総理は「最悪の水準」との認識を示したうえで、平成2年度以降に国債発行残高が急速に増えてきた要因について、利益誘導型の政治が多くの無駄な公共事業生んだことで歳出を極めて肥大かさせたことは否めないと分析。「新政権としては、巨額の財政赤字の削減に向けて積極的に取り組んでいかなければならない」と述べた。

 さらに大久保議員は、財政状況の改善方法について議論を始めるべきだと主張し、日本の財政状況への国際的評価の現状及び基礎的財政収支の黒字化の見込みについて認識を訊ねた。菅大臣は「国際的な評価について、最悪の水準であることは認識すべき」としたうえで、財政健全化に向けては、本年は国家戦略担当大臣を中心に長期財政フレームの作成とともに中長期の財政規律のあり方を含む財政運営戦略を作成し、財政健全化の取り組みを示す方針だと説明。成長戦略、税制のあり方、年金制度のあり方等々含め日本の財政状況をどう改善していくかは鳩山内閣の最大の内政における政策課題だとして、改善に向けた取り組み強化を誓った。

 最後に、日本の税制は241件に上る租税特別措置があると述べ、自民党長期政権の下で政官業が一丸となって作り、効果が検証されないまま漫然と放置された結果だと問題視。民主党は、「公平」「透明」「納得」の税制が基本方針だとして、これまでの租税特別措置の効果と今後の方針について菅財務大臣の見解を質した。

 菅大臣は、租税特別措置は産業政策などの特定の政策目的を実現するために設けられたと言われているが、中にはどう利用され、どのような効果があるかが必ずしも明らかではないと指摘。税制における既得権益を一掃する必要があるとして、今後4年の間に抜本的に見直す方針を示したうえで、適用の実態を国民の目に明らかにするために「租税透明化法案」が重要であると審議協力を求めた。

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