10日夕、鳩山由紀夫総理(代表)と長妻昭厚生労働大臣は、都内で行われた「自殺と貧困から見えてくる日本」(主催:反貧困ネットワーク・NPO法人自殺対策支援センターライフリンク)のシンポジウムで、それぞれ挨拶した。
鳩山総理は、「『自殺』というタイトルのシンポジウムを開かなければならないということに、今の日本の現実がある」と、今日の日本の危機的な状況にふれ、自身が8年前、自殺対策に焦点を当てなければならないと思ったエピソードと「政権をとったら、まずこの問題を手がけてみようと感じていた」と決意を紹介した。
鳩山総理は、「貧困のテーマもやはり居場所と出番をそれぞれの一人一人に見出すこと、そこに尽きるのではないか」と指摘したうえで、「その意味で、雇用対策を充実させること、新たな雇用(創出)を努力することが、今すぐにでも政府がやらなければならない大きなテーマだ。貧困を日本からなくす。そのことによって、自殺をこの国からなくす、その方向に向けて大きく舵を切ってまいりたい」と強い決意を改めて示した。
長妻大臣は、「今、日本は、自殺については異常事態に陥っている。一日平均毎日90人の方が自ら日本国のどこかで、命を絶っておられ、先進7カ国の中でも人口10万人当たりの自殺者の数を比較しても、日本が最も数字が高く、アメリカ、カナダの2倍。イギリス、イタリアの3倍」だとした。そのうえで、「最も重大なのは、日本において15歳から34歳までの死因のトップが自殺であること。先進国の多くは若者の死因のトップはガンあるいは交通事故だが、先進国で日本だけ、若い世代の死因のトップは自殺であることだ」と改めて問題の大きさを指摘した。
長妻大臣は、「厚生労働省の中にも、自殺・うつ対策チームを作り、相談体制を整備していくが、ぜひ、今後、みなさまお一人お一人から、私、そして、厚生労働省にメールや手紙で具体的なアドバイスや要望などをご指摘いただき、この重大な事態を何とか変えるきっかけをつかみたい」と、参加者へ貧困と自殺問題の解決に向けての協働を呼びかけた。
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