衆議院本会議で16日午後、「平成22年度における子ども手当の支給に関する法律案」の質疑が行われ、民主党・無所属クラブを代表して福田衣里子議員の賛成の立場から討論に立った。
討論に先立ち藤村修厚生労働委員長が同委員会における審査の経過と結果について報告し、同法律案について未来の社会を担う子どもの健やかな育ちを支援するため平成22年度における子ども手当の支給について必要な事項を定められるものであると説明。児童養護施設に入所している子どもなど支給対象から外れてしまう子どもへの支援等を含めた制度のあり方や、平成23年度以降の子育て支援に係る全般的な施策の拡充・検討に関する修正案が提出され、採決の結果、修正案と原案はいずれも賛成多数で可決し、修正議決するものと決したと語った。
続いて賛成討論に立った福田議員は、本法律案は次世代を担う子どもたちの育ちを応援するために、平成22年度において、0歳から中学校修了までの子どもに対して、月額1万3000円の子ども手当を支給するものであると強調。「その際、保護者の所得制限は設けず、対象年齢や出生順位にかかわらず、等しく一律の手当て額とする」ものだとした。
福田議員はまた、日本の現状について「子どもに対する予算のGDP比を見ると、先進諸国と比べても最も少ない国のひとつ」だとし、「今までわが国では、もの申す術のない子どもたちに対する予算は後回しにされてきた」との見方を示し、子ども手当の創設は、そうした現状を改め、子どもたちが安心して育つことのできる日本をつくっていく第一歩であると訴えた。
同時に、「子どもたちへの支援が経済的支援だけでは足りないことは言うまでもない」と訴え、長妻昭厚生労働大臣からも保育サービスなどの「現物給付」についても車の両輪としてしっかりと取り組むとの考えが厚生労働委員会で表明されたことを明かし、「子どもが安心して育つことができ、保護者が安心して子育てできるよう、子育てに掛かる経済的負担を社会全体で負担すべきと考える」とも語った。
さらに「子どもたちは日本のみらいを担う貴重な存在。社会の宝。子どもたちを大切にするためには、子どもを育てる人たちを社会全体で支援することが重要だということをご理解いただきたい」とも福田議員は訴え、「子どもたちの未来のために、ぜひとも本法案にご賛同を」と議員に呼びかけ、賛成討論を締めくくった。
討論終結後採決が行われ、同法律案は民主党はじめ社民、国民新の与党3党と公明、共産両党などの賛成多数で可決され、衆議院を通過した。
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