小沢一郎幹事長は19日高松市内で会見し、7月に行われる参院選の香川選挙区において、無所属で立候補予定の岡内須美子氏を民主党はじめ社会民主党、連合香川で共同推薦することになったと発表した。
会見には渕上貞雄社民党選対委員長、小川淳也民主党香川県連代表、奥田研二社民党香川県連合代表、小川俊連合香川会長が同席した。
冒頭、小沢幹事長は「このたび、連合香川のみなさんのご努力、香川県の社民党県連のみなさん、そして民主党県連が協力して、参議院選挙の香川県選挙区候補として岡内さんの擁立を決めてもらった」と紹介。「本当にすばらしい候補者を得たと思っているし、また岡内さんには地元での地方行政のキャリアを活かして、地方主権、本当の地方自治を目指すことを我々(民主党)は将来の社会像と謳っているのでまさにうってつけの候補者であると考え、大変心強く、喜んでいる」と強調した。
「7月の準備に向けて連合香川と社民党、民主党との3者の完全な協力体制がここに出来上がったことは、緊密な連帯一致によって、何としても香川県の代表として参議院に送っていただきたいということを市民の皆さん、県民の皆さんにお願いする次第だ」とも語った。また、3者の話し合いを経たうえで、「国民新党、新党日本の皆さんにもお力添えをいただかないとならないと思っているが、まずはこの3者で岡内さんの必勝を目指して頑張る体制ができたことを大変喜んでいるところだ」とした。
「岡内さんには7月に予定されている投票日まで4カ月しかない。いろいろと厳しいなかで立候補を決断していただき、今後、選挙に向けてさらに厳しい毎日が続くと思うが、県民のみなさん、市民の皆さんのために頑張っていただきたい。県連、本部としても可能な限りの支援体制をつくりあげていきたい」とも述べ、岡内氏にエールを送った。
決意表明に立った岡内氏は「高松市で職員として32年、また副市長という特別職として約3年。合計35年にわたって地方行政を担当してきた」とまず自らを紹介。「そのなかで国との関係でさまざまな疑問点があった」として、制度上あるいは省庁間の関係による問題によって壁にぶつかったと振り返った。
また、新政権には最重要課題のひとつとして地方自治があると指摘し、「まさに今、地方と国との関係が新たに構築されようとするなか、非常に重要な時期だと認識している。そういうなかで『地方行政のこれまでの経験を生かしてほしい』という声を様々な方からいただき、最初は『どうして私なのか』とずいぶん長い間悩んだ」と立候補決意までの経緯を語った。
「しかし、私は市役所のなかで、女性職員に『チャレンジしなさい』と言ってきた。その私がこのチャレンジから逃げるのでは話にならない。そう考え、揺れるなかで勇気をふりしぼって決断すべき時期である」と思い至ったとした。
岡内氏はさらに、自らの決断によって、「政治家のイメージも変えていかなければならないと思っている」とも述べ、「地盤、看板、かばんを持たない、政治家の素人ともいえる自分が政治家になることで政治に対する関心を深める」「政治家になりたいという人が出てくるきっかけとなる」「政治に参画しようという意識を高めることに一役買い、投票行動にもつなげる」「女性たちに勇気を与える」等々の実現をはかりたいと列挙し、自らが政治家になることはそういう役割にも繋がるとの見方を示した。
同時に、「自分を育んでくれた高松市、香川県にも国政で頑張ることが、香川県をアピールすることにもふるさとに貢献する道にもなると思い、決断した」と語った。
そのうえで岡内氏は「自分が果たす役割・仕事」として(1)地方が仕事をしやすい、地方にとって意味のある「地方主権」の仕組みづくり、(2)自立した地方自治体を実現するためのコミュニティの再生、(3)子どもを安心して育てられる環境づくり、子どもが健やかに育つまちづくり、(4)女性と子どもの代弁者になる、(5)政治を身近なものにし、より多くの人に政治に参画してもらう環境づくり――を列挙。「以上の目標を掲げてこのたび決断した。どうぞよろしくお願いします」と深々と頭を下げ、決意のほどを訴えた。
■岡内須美子(おかうち すみこ)
1952年 高松市生まれ、71年 高松高校卒、75年 奈良女子大学理学部卒
1975年 高松市役所に就職、99年 教育部次長、2002年 市民部次長
2003年 健康福祉部長、07年 副市長(2010年退職)
家族:夫と社会人の娘二人、趣味:山歩き、尊敬する人:キューリー夫人
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