政府提出の「少年法改正案」が11日の衆院本会議で議題となり、民主党からは佐々木秀典議員が質問に立って「少年法を刑罰法として見直すのではなく、社会の病根が少年たちを犯罪に走らせないよう、社会全体で対策を考えるべきだ」と主張した。
佐々木議員は冒頭、少年法小委員会の座長として同法改正問題に取り組んできた故・福岡宗也衆院議員に追悼の意を表した。佐々木議員はそのうえで、(1)少年の凶悪犯罪の原因はそもそも何か(2)少年審判での複数裁判官の合議制導入を定めているが、少年が複数の裁判官と直面して萎縮する結果となる(3)事実認定の審判手続で新たに検察官を関与させれば、防衛力の弱い少年の公正な裁判を受ける権利を侵害するなどの問題点を指摘。
さらに、「法案は『少年の健全育成』という理想を忘れ、凶悪犯罪に厳重処罰を求める世論に迎合する手続き論に終わっている」と述べ、改正案が少年犯罪防止の抜本的解決にはならないと批判した。
これに対し森首相は文教行政の責任にはふれず、臼井法相は、複数裁判官の導入について「事実判断の客観性を高める」とし、検察官の関与は「訴追官としてではなく家裁への協力が目的で、被告の不利にはならない」と述べた。
|