新しい公共をつくる市民キャビネットのメンバーは11日夕、内閣府を訪れ仙谷由人国家戦略担当大臣と面談。「国の形を変え、市民・NPOが政府と協働する『新しい公共』を!」と題する提言を手渡した。
「新しい公共をつくる市民キャビネット」は、新しい公共を掲げる政権に対してNPO等の側が政策提言するために今年1月29日に設立。NPO/NGO・市民団体が公益活動を自らの責任で担い、政権が目指す「新しい公共」を実現するための政策推進のための組織。今後の活動としては、今月16日の札幌を皮切りに全国キャラバンを展開、6月中旬には「全国大集合フェスタ」で市民キャビネットからの政策提言の完成を予定している。
手渡された提言では(1)市民・NPOが公共を担う社会的システムの確立、(2)市民セクターの基盤強化、(3)コミュニティの構築、(4)市民・NPOと政府の協議――の4点を要請、「新しい公共」が個別の法人格制度や税制などの改革に留まることなく、「国のかたち」を変える担い手になる決意を表明するもの。市民が主役となり、政治主導と連携したうえで、行政と協働を行うシステムにしていくことが「新しい公共」の具体化であるとして、政府・行政と市民・NPOとの関係を透明で対等なものへと変化させることを目指している。
メンバーらは、「『新しい公共』をつくるという新政権の考え方は素晴らしい」と評価したうえで、「政策をつくるには正しい情報が必要である。情報に基づく政策提言をしていき、ともにいい日本の社会づくりを行いたい」と表明。「新しい公共」をつくる担い手であるNPO等の育成や税制優遇措置、継続的な活動をするための事務費用、人権費負担などにも配慮をと求めた。提言が実現すれば、子ども、福祉、農村都市・地域、地球社会・国際、男女平等、災害支援、科学・技術と社会、金融の8分野で政策を推進、「命が守られ、輝く」「人が活かされ、育つ」「暖かい絆が生まれ、蘇る」社会になるとも主張した。
仙谷大臣は、「ご趣旨は誠にごもっともな話」だと応じ、税額控除や非営利で市民の事業に融資を行うNPOバンクの設立などにも理解を示した。「新しい公共の円卓会議」のみならず「社会的責任の円卓会議」でもこの問題に取り組んでいると説明、官の側も自治体の側もNPOとの共同でやっていくよう鳩山由紀夫総理(代表)も求めているとして、政府として積極的に「新しい公共」づくりに取り組んでいく考えを述べた。
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