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2010/05/20
【衆院本会議】農林漁業六次産業化促進法案 赤松農水大臣趣旨説明 石津議員、代表質問
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 政府提出の農林漁業者等による農林漁業の六次産業化の促進に関する法律案等を議題に衆議院本会議が20日午後開かれ、赤松広隆農林水産大臣が趣旨説明を行い、石津政雄議員が質問に立った。

 趣旨説明で赤松大臣は、我が国の農林漁業、農山漁村をめぐる状況を見ると、農林水産物価格の低迷等により農林漁業所得が減少し、農山漁村の活力が低下するなかで農林漁業と2次産業、3次産業との融合を図り、農林水産物をはじめ、農山漁村に豊富に存在するバイオマス、総水力等の資源を有効に活用して新たな付加価値を生み出す農山漁村の六次産業化を強力に推進することが喫緊の課題となっていると強調した。

 政府では農山漁村における六次産業化の総合的な推進の第一歩として、農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の総合化を促進するための措置を講ずることにより、農林漁業の持続的発展と農山漁村の活性化を図ることを目的としてこの法律案を提出したとした。

 主な内容として赤松大臣は、(1)農林漁業者等による農林漁業及び関連事業の統合化は農林漁業者の所得の確保を通じて地域経済に活力をもたらすとともに、エネルギー源としての利用など、農林水産物等の新たな需要などの対策等により地球温暖化の防止に寄与することが期待されることに鑑み、農林漁業の六次産業化を促進するため、農林漁業者等が農林水産物等及び農山漁村に存在する資源を有効に活用して主体的に行う取組みに対して国が集中的かつ効率的に支援を行うことを旨として、その促進が図らなければならないとの基本理念を規定するとしている。 

 第二に農林水産大臣は農山漁村における六次産業化の推進に関する基本的な事項、農林漁業および関連事業の総合化の促進の意義および基本的な方向を明らかにした基本方針を定めることとしていると赤松大臣は語った。

 第三には農林漁業者等が必要に応じて他産業の事業者の支援を受けつつ、農林水産物やバイオマスを利用した生産、加工、販売に一体的に取り組む計画を作成し、農林水産大臣の認定を受けることができることとした。また、民間事業者等が地域に存在する土地、水等の資源を有効活用した研究開発、およびその成果の利用を促進するための計画を作成し、主務大臣の認定を受けることができる等と定めた。

 質問に立った石津議員は「それぞれの時代において、農政に携わった政治家や官僚は我が国の農林漁業の発展のために頑張ってきた。しかし、現在の農山漁村は明らかに衰退している。現在までの理念なき農政は、私の地元の方言で言えば『ごぢゃペ=でたらめ』と表現せざるを得ない」との認識を示した。

 石津議員はまた、耕作放棄地の増大、森林の荒廃、水産資源の減少など、深刻な状況に直面し、農山漁村の活力は失われていると指摘。「鳩山政権の一丁目一番地の政策である地域主権は、地域社会が持続性を保つおとによって成り立つものだ。地域の基幹産業が農林漁業である認識に立てば、その地域社会・コミュニティを維持するためのツールとして農林漁業の振興は極めて大切だ」と表明。地域主権を実現するにあたっても農林漁業六次産業化促進は重要との認識を示した。

 農山漁村の危機的な状況を打破し、地域社会の活力を創出するため、民主党はかねてから農林漁業者と2次産業者・3次産業者との融合、さらに農山漁村と都市との連携による新たな業態の創出などによる「農山漁村の6次産業化」を提唱してきたとも表明。

 そのうえで石津議員は、政府においては3月に閣議決定した、新たな「食料・農業・農村基本計画」において、「農業者に対する戸別所得補償制度の導入」、「食の安全・安心といった消費者ニーズにかなった生産体制への転換」そして「6次産業化による活力ある農山漁村の再生」の3本柱を基本に、農政の大転換を図ることになるとした。また、政府は本法律案の提出を契機に、農山漁村の6次産業化を総合的に推進し、農林漁業者の所得を確保するとともに、農山漁村に新たな雇用を創出することにより、疲弊した農山漁村の活性化を目指しているとも宣言した。

 石津議員はこうした認識に立ったとき、私は『農山漁村の6次産業化』を実現するためには、将来的には関係府省の政策体系と組織の再選も視野に入れていく必要があり、今回の法律案はそれに向けたまさに第一歩だとも問題提起した。

 また、農山漁村に豊富に存在するバイオマス資源の6次産業化による利活用の重要性にも言及し、地域で製造されたバイオマス由来のエタノールやディーゼル燃料、またバイオマスプラスチックなどを農林漁業生産現場、さらには地域全体で積極的に利活用できれば、農山漁村に新たな付加価値を生み出すことができるとも指摘。あわせて農山漁村の資源を活用した電力の売却は化石燃料依存度を引き下げ、地域温暖化防止に貢献することができ、さらには農山漁村に売電収入がもたらされ、さらには発電施設等の整備・維持管理に伴い雇用創出も考えられるとの効果も列挙した。

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