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2010/05/31
【衆院本会議】郵政改革法案他2法案可決 近藤委員長報告 奥野議員賛成討論
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 衆院本会議で31日夜、内閣提出の郵政改革法案、日本郵政株式会社法案、郵政改革法及び日本郵政株式会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に関して、近藤昭一総務委員長が委員長報告を行うとともに、民主党・無所属クラブを代表して奥野総一郎議員が賛成討論を行った。

 討論終了後に採決が行われ、賛成多数で可決した。

 3法律案の総務委員会における審査の経過と結果を報告した近藤委員長は、郵政改革法案は郵政改革についてその基本的な理念、および方針ならびに国等の責務を定めるとともに、郵政事業の実施地帯の再編成、当該再編成後の実施地帯に関して講ずる措置、その他、郵政改革の実施に必要な事項を定めようとするものであると語った。

 また、日本郵政株式会社法案は、郵政改革を実施するため、郵便の役務、簡易な貯蓄、送金および債権・債務の決済の役務、ならびに簡易に利用できる生命保険の役務を利用者本位の簡便な方法により郵便局で一体的に、かつあまねく全国において公平に利用できるよう、日本郵政株式会社法の全部を改正し、日本郵政株式会社法の目的および業務の範囲、郵便局の設置等について定めようとするものだとした。

 3法律案は委員会において28日に一括して質疑が行われ、3法律案は賛成多数で原案の通り可決するべきものと決したと委員長は語った。

 賛成討論に立った奥野議員は、「郵便局のネットワークは、明治以来、郵便、貯金、簡保の3事業を一体として提供することにより、一円の税金も使わず独立採算で、あまねく全国、人びとの暮らしを支え、地域の絆の中心的役割を担ってきた」と指摘。「ところが、小泉政権が行った郵政民営化は、国の資本がある金融機関は不要との市場原理主義的な考えに立ち、郵貯・簡保の廃止を前提に、郵政事業を5つの会社に分割するなど、郵政局ネットワークをずたずたに切り裂いた」と問題視した。また、郵貯・かんぽは2017年に売り飛ばされることになっており、地域で貯金、保険の基本的なサービスが受けられなくなる恐れがあり、また、郵便局をコンビニにするなどといい加減な経営見通しを立てて制度設計をおこなったため、郵便局の経営が成り立たなくなる恐れが出てきたとも指摘した。

 実際に、民営化後に一時閉鎖中の簡易郵便局数は400に上り、過疎地域の多くで唯一の金融機関であり、住民票を受け取れる身近な行政機関であり、また豪雪の中でも小包や新聞を届けてくれ、まさに地域のライフラインである郵便局が小泉改革で疲弊した地域になくなってしまうのではないかという不安を多くの方々が訴えておられたとも紹介。

 そのうえで、多くの国民の皆さんから「郵便局窓口が不便になり時間がかかるようになった」との声があり、郵便局で働く皆さんからも、「窓口が間仕切りでばらばらにされる」「様々な報告が要求されるため対応に追われる」「監視カメラまで設置される」などの声が出て、小泉民営化で疲弊し、雇用不安にさいなまれる日々を過ごしてきた実態も明かした。

 奥野議員は民主党2009年総選挙のマニフェストで、郵政三事業の一体的サービス提供の保障、4分社化の見直しなど郵政事業の抜本改革を掲げたと改めて提示。本法案は、国民の声にこたえ、マニフェストでお約束した改革を実現するものだと強調した。
 法案内容に関して奥野議員は、(1)来年10月に現在の5社のうち持株会社と郵便、局会社を統合し、日本郵政、ゆうちょ、かんぽの3社に整理する。(2)ゆうちょ、かんぽもユニバーサルサービスとして国の責務に位置づけ、新日本郵政株式会社の必須業務とする。(3)新日本郵政株式会社にゆうちょ、かんぽの株の3分の1超の保有を義務づける。(4)会社の自主性を尊重し、機動的で安定した経営ができるように、民間とのイコールフッティングを図りつつ、新規業務への参入規制を緩和する――との4項目を説明した。

 「本法案は、このような措置により、これまでどおり一円の税金も投入せず、郵政三事業の基本的なサービスを全国あまねく提供できるよう、新しい公共として日本郵政株式会社を復活させ、国民の、そして郵便局で働く皆さんの不安を解消するものである」とも奥野議員は解説。同時に、本法案について、暗黙の政府保証を理由に、資金移動が起きるなど民業圧迫の法案であるとの懸念が一部にあることにも言及し、「しかしながら、現在100%政府出資の会社であるにもかかわらず、リーマンショックで郵貯・かんぽへの資金の移動が起きなかったことからみても、この懸念が根拠のないものであることは明らか」だとし、「しかも、郵貯銀行、かんぽ生命は他の金融機関と同様、税金を負担し、預金保険料等を負担しており、万一の際には、他の金融機関と同じ破綻処理をすることとされている。このように義務の上では、完全にイコールフッティングとされている一方、業務については限度額規制や新規業務の届出の際の主務大臣の勧告制度など、競争条件に配慮した制度となっている。民業圧迫との懸念にもあえて十分に配慮した法案」だとした。

 奥野議員は最後に、政府に対しては国の責務として、まちがっても税金を投入するような事態を招かないよう、競争条件に配慮しながら業務の見直しを続けるとともに、郵政サービスの安定的な提供のために厳しく監督し続けることを求め、また郵政各社に対しては、社会的使命を認識し、徹底した経営改善を行うよう求め、賛成討論を終えた。

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