菅直人代表は17日夕、都内で開かれた「2010参議院選挙民主党マニフェスト発表会」で民主党の政権政策を発表。「強い経済、強い財政、強い社会保障。」を強調、この実現こそが日本再生の道だと主張した。
会見ではまず、枝野幸男幹事長が「菅政権の最大の課題はこの国の閉塞感を打破し元気な日本を復活させること」だとして、「『強い経済、強い財政、強い社会保障』の実現をマニフェストで約束、強いリーダーシップのもと、既得権益や省庁の縦割りを乗り越えて政治主導で思い切った政策を断行していく」と宣言。代表交代の経緯を踏まえて政治改革、外交・安全保障を政策の大きな柱として詳細に記載したとも紹介、「できるだけ多くの皆さんにお読みいただき、国民の皆さんの期待を実現するための力を与えていただきたい」と述べた。
続いて玄葉光一郎政調会長は、今回のマニフェストでは「できたこと、できなかったことを客観的事実として記載している」と説明。「マニフェストは生き物であり、環境や状況の変化に柔軟に対応することが必要であり、総選挙マニフェストの見直しのチャンスとして補完するものと位置づけている」との認識を示した。総選挙マニフェストの教育・子育て・医療・地域主権を基に、財源の問題などを踏まえ成長戦略、財政健全化にも触れているのが大きな特徴であり、強い経済、具体策のひとつに法人税の引き下げに言及しているのがポイントだと述べた。
そのうえで、概要として(1)ムダづかい、行政刷新(2)政治改革(3)外交・安全保障(4)子育て・教育(5)年金・医療・介護・障がい者福祉(6)雇用(7)農林水産業(8)郵政改革(9)地域主権(10)交通政策・公共事業――についてそれぞれ説明した。
菅代表は、マニフェストのなかで特に「私自身が強く国民の皆さんに訴えたいと思いマニフェストに盛り込んだもの」として、「強い経済、強い財政、強い社会保障」を強調。従来対立するものと考えられがちだった経済、財政、社会保障を一体として捉える政策こそが日本の再生の道だと説いた。18日には「新成長戦略」を閣議決定し、財政運営戦略、「中期財政フレーム」についても来週早々に内容を発表、社会保障についてもこれまで様々な政策を提示してきたと述べ、「経済、財政、社会保障の好循環をつくることが政策体系であり、そのエキスがこのマニフェストである」と主張した。
さらに菅代表は「税制抜本改革に関す協議を超党派で開始する」との文言に言及し、自分たちの力で財政再建を実現する、強い財政をつくる、そのことが強い経済、強い社会保障に、という道筋をつけるために、思い切って記したと説明。現在政府税調で議論しているとして、今年度内にあるべき消費税に関する改革案をとりまとめていきたいとの考えを示した。併せて、自民党が示した10%を参考にしながら超党派で検討していくとも述べた。
これを受けての質疑応答では、玄葉政調会長、細野豪志幹事長代理が記者の質問に答えた。
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