第150回臨時国会が72日間の会期で、21日召集された。民主党は午前11時から国会内で両院議員総会を開き、今国会に臨む方針を全議員で確認した。
最初に挨拶にたった鳩山由紀夫代表は、「一体となって山本前議員の不祥事を乗り越えて行かなければならない」と手綱をひきしめ、この国会での重要テーマとなる「あっせん利得罪」法案審議について、「与党案はきわめていかがわしい内容。このようないい加減な法案をそのまま通してはならない。国民にとって最も望ましい法制定に全力をあげていきたい」と述べた。
また、参議院の選挙制度問題については、「議長の下での与野党合意が反古にされている。久世氏の不祥事を選挙制度にすり替えた議論を飲み込むわけには行かない。徹底して反対の議論をしていかなければならない」との姿勢を示した。
続いて、久保亘参議院議員会長が、「両院の連携、野党の共闘を重視しつつ、党の方針に従って効果的で力量感のある活動を展開して、政権を担える党としての国民の支持をいただけるよう、全力をつくす」と決意表明した。
また、菅直人幹事長は、「野党第1党がどこまでがんばるかで国会の価値が決まる。政府与党がやることが国民のためにならなければ、国会で野党第1党である私たちがそのことをきちんと指摘し、是正させる。私たちががんばらなければ国会は死んでしまう。そういう覚悟で臨んでいただきたい」と檄を飛ばした。
また「あっせん利得罪」法案については、「きちんとしたあっせん利得罪ができれば自由民主党は遠からずなくなる。なぜなら自民党の組織原理はあっせん利得にあるからだ。自民党がなくならないとすれば、法律がザル法だからだ。ザルにならない法律を何としてもこの国会で成立させることが私たちの大きな役目だ」と述べた。
赤松広隆国会対策委員長は、「民主党が見える・民主党がわかる・民主党が頼りがいのある議会運営に努めていきたい」と表明。また、参議院で参院比例代表選への「非拘束名簿式」導入のための公職選挙法改正案を審議する「選挙制度特別委員会」の設置を与党が一方的に議決したことについて、「(参院の)地方行政委員会は民主党の委員長なので、与党の思うような運営ができない。そこで特別委員会をつくって自民党の委員長で好き勝手に運営しようとしている」と状況を説明。
その上で、「あらゆる戦術を駆使して、法案の矛盾点、問題点、欠陥を議論を通じて明らかにして、国民に理解していただく議論を進めていく中から、このような法案を成立させることが国民的に望ましいことではないと言う結論を得るように行動していきたい」との方針を示し、理解を求めた。赤松国対委員長はまた、今国会では党首討論を毎週1回必ず開催するよう求めていく方針も明らかにした。
羽田孜特別代表は「今の自民党がやっていることは民主主義の破壊だ。ルール無視の自民党に対して、(マスコミの)報道を待つだけでは許されず、国会の中だけでなく、外でも行動し国民に訴えていかなければならない」と国会外での積極的な運動と、参議院滋賀補選と衆議院東京21区補選への協力を呼びかけた。また滋賀県連会長の山元勉衆院議員もマイクを握り、参議院滋賀補選への支援を要請した。
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