菅直人代表(総理)は3日午後、東京都八王子市内で街頭で演説し、土曜日の午後の忙しい時間帯にもかかわらず集まった約2000人の聴衆を前に、日本社会を覆う行き詰まり、閉塞感を打破し日本の元気を取り戻すと表明。「強い経済、強い財政、強い社会保障」を一体として実現していくことで日本の経済社会を立て直すと力強く宣言した。
菅代表は、自民党のマニフェストにも言及し、一つひとつの政策内容は理解できるものもあるとしたうえで、昨年夏まで政権与党の座にありながら何故実行しなかったのかと厳しく批判。国内に97もの飛行場をつくっておきながら、まともなハブ空港が一つもないのは自民党の経済政策の失敗の一例だと指摘した。
そのうえで菅代表は、高度成長時代以来自民党政権が続けてきた公共事業に依存する道でもなく、小泉・竹中政権下で推し進めてきた市場原理市場主義に偏った道でもない、自らが提唱する「強い経済、強い財政、強い社会保障」を一体となった第三の道こそが必要だと強調した。
菅代表はまた、現在の日本社会のひずみの象徴として秋葉原の通り魔事件や広島のマツダ工場の無差別殺傷事件に触れ、その原因は人と人とが孤立し心がバラバラになっていることだと分析。改めて家族や会社、地域での絆を結び合う社会をもう一度つくっていくと誓った。
最後に、民主党には10年先の日本を担える力のある若手世代が充実していると紹介。政権交代後の9カ月の経験を踏まえ、「責任ある安定した政治を取り戻していく」と述べ、民主党への理解を求めた。
なお、街頭演説会では3年前の参院選挙「逆転の夏」で初当選を果たした大河原雅子参院議員が司会を担当。地元選出の阿久津幸彦衆院議員は、菅代表とは1996年の民主党結党以来、行動をともにしてきたメンバーだと述べ、市民の代表である市民派内閣として税金のムダ遣いをなくすため、引続き改革に取り組んでいくとした。
街頭演説会にはこのほか石毛えい子、竹田光明両衆院議員のほか地元都議会議員、市議会議員が多数参加した。
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